文献詳細
文献概要
ひろば
考える力を育てる
著者: 中江誠1
所属機関: 1小倉リハビリテーション学院理学療法学科
ページ範囲:P.612 - P.613
文献購入ページに移動 学習にあたり,知識を得ることは大切であるが,知識を偏重すると固定観念が強く生じてくる.そのため,受動的な方法で知識を得ることだけでなく,立体的な形(話したり,教えたり)としての見識を兼ね備えることが重要である.記憶の定着性を示すラーニングピラミッド(図)においても,頂点に「座学」,底辺に「実践」が配されており,能動性が重要であることを説いている.したがって,臨床経験のない学生が実習に出た際,その未成熟な知識構造に基づく臨床思考においては考察が不十分となり,実習指導者(臨床教育者:clinical educator)とのやり取りも奥行きが浅くなりやすい.そして,不十分な点に対する多くの指摘を受けることで,結果として実習における言動に萎縮が生じるという状況は,日常的に観察されることである.
実習を,学生自身の力量を検証し,向上させる場とするためには,学生自身が能動的に「質問をする姿勢」を作り,自分の有している知識を披露することが第一義である.そのことにより,実習指導者の知識を有機的に取り入れて「確認⇔修正」を図り,「考える力」を実習において活性化することが重要である.
実習を,学生自身の力量を検証し,向上させる場とするためには,学生自身が能動的に「質問をする姿勢」を作り,自分の有している知識を披露することが第一義である.そのことにより,実習指導者の知識を有機的に取り入れて「確認⇔修正」を図り,「考える力」を実習において活性化することが重要である.
参考文献
1)武綱誠一郎,他:自己効力に関する研究の動向と問題.教育心理学研究 36:172-184,1988
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