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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル43巻7号

2009年07月発行

文献概要

症例報告

右手関節部離断後にクルッケンベルグ法を施行した症例に対する理学療法の経験

著者: 大槻紘子1 山崎友昭1 黒崎尚子1 須賀正伸1 柴田由理1 後藤渉2

所属機関: 1群馬県済生会前橋病院リハビリテーション科 2群馬県済生会前橋病院整形外科

ページ範囲:P.635 - P.640

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要旨:労災事故による利き手の手関節部離断後,クルッケンベルグ法による手術を行った症例に対して,理学療法を行う機会を得た.クルッケンベルグ法とは,前腕を橈骨と尺骨の間で2つに分け,ピンセットのように物を挟めるようにする機能再建術で,特異な外観により適応が限定されていたが,機能的に優れているため,近年は片側前腕切断例でも行われている.今回,断端の開閉動作に必要な筋収縮を得ることを目的として筋電図バイオフィードバックを用いた結果,症例の希望する両手の日常生活活動(activities of daily living:以下,ADL)が自立に至った.治療開始時には医療サイドは義手を検討していたが,症例は特異な外観に抵抗がなく,当初から手術を勧めた場合にはより早期にADLの自立が可能だったとも考えられ,目標設定に関して反省点も残った.

参考文献

1)木野義武,他:Krukenberg手の機能,別冊整形外科No9,pp81-83,南江堂,1986
2)北村珠希,他:重症広範囲熱傷による前腕切断例に対するKrukenberg法の1例.日形会誌 25:690-694,2005
3)Garst RJ:The Krukenberg hand. J Bone Joint Surg Br 73:385-388, 1991
4)Nathan PA, et al:The Krukenberg operation. A modified technique avoiding skin grafts. J Hand Surg 2:127-130, 1977
5)重富充則,他:Krukenberg手術による物体把持機能再建.日手会誌 13:506-508,1996
6)Swanson AB, et al:The Krukenberg procedure in the juvenile amputee. Clin Orthop Relat Res 148:55-61, 1980
7)Randi L, et al:Krukenberg kineplasty:a case study. J Hand Ther 15:260-265, 2002
8)Freire J, et al:Functional results after a Krukenberg amputation. Prosthet Orthot Int 29:87-92, 2005
9)長谷公隆:筋電図バイオフィードバック療法.総合リハ 32:1167-1173,2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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