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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル43巻8号

2009年08月発行

文献概要

特集 ICFと理学療法

理学療法学教育におけるICF導入の現状と課題

著者: 進藤伸一1

所属機関: 1秋田大学大学院医学系研究科保健学専攻

ページ範囲:P.661 - P.666

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はじめに

 理学療法士養成課程において,ICF(International Classification of Functioning, Disability and Health:国際生活機能分類)1)の正しい教育が行われることは,理学療法におけるICFの普及と活用において極めて重要である.「正しい教育」とあえて強調したのは,ICFの前身であるICIDH(International Classification of Impairments, Disabilities and Handicaps:国際障害分類)の導入において,それまでの古い障害理解がICIDHの理解に持ち込まれたことがあり,同じことがICFについても現在起こっているのではないかと考えられるからである2).理学療法士は,これまで長い間ICIDHによる障害把握を行ってきた経緯があり,ICFを教育する場合にはこうした点を十分考慮する必要がある.

 本稿では,理学療法学教育におけるICF導入の現状,ICF教育をめぐる議論,そしてICF導入の課題について述べたい.

参考文献

1)世界保健機関(WHO):ICF国際生活機能分類―国際障害分類改定版,中央法規出版,2002
2)上田 敏:国際生活機能分類ICFの理解と活用―人が「生きること」「生きることの困難(障害)」をどうとらえるか,きょうされん,2005
3)浅川育世:症例報告書にICFの概念を取り入れてみよう.PTジャーナル 39:1085-1092,2005
4)全国理学療法士・作業療法士学校連絡協議会(編):平成22年版理学療法士・作業療法士国家試験出題基準,メジカルビュー社,2009
5)社)日本理学療法士協会:臨床実習教育の手引き(第5版),社)日本理学療法士協会,2007
6)椿原彰夫:リハビリテーション総論―要点整理と用語解説,pp28-32,診断と治療社,2007
7)上田 敏:ICFの基本的考え方―生活機能(プラス面)の重視と階層的理解を中心に―.PTジャーナル 36:271-276,2002
8)大川弥生:ICFの基本的考え方をリハビリテーションの実際にいかに生かすか(1)―リハビリテーション(総合)実施計画書に体現されたICFの理念―.PTジャーナル 36:361-366,2002
9)大川弥生:ICFの基本的考え方をリハビリテーションの実際にいかに生かすか(2)―リハビリテーション(総合)実施計画書に体現されたICFの理念(2)―.PTジャーナル 36:441-447,2002
10)大川弥生:理学療法プログラムに生かすICF(1)―問題指向的アプローチ―.PTジャーナル 36:609-615,2002
11)大川弥生:理学療法プログラムに生かすICF(2)―リハビリテーション・プロセスへの患者・家族の主体的関与・決定―.PTジャーナル 36:696-703,2002
12)上田 敏:国際生活機能分類(ICF)とリハビリテーション医学の課題.リハ医学 40:737-743,2003
13)厚生労働省大臣官房統計情報部(編):生活機能分類の活用に向けて―ICF(国際生活機能分類):活動と参加の基準(暫定案)―,財)厚生統計協会,2007
14)上田 敏:科学としてのリハビリテーション医学,pp156-158,医学書院,2001
15)和島英明:理学療法のための臨床問題解決法―ブレイクスルーと理学療法診断にむけて,pp37-45,協同医書出版社,1997
16)嶋田智明(編):概説理学療法,pp31-38,文光堂,2007
17)上田 敏:リハビリテーションを考える―障害者の全人間的復権―,pp160-188,青木書店,1983
18)上田 敏:評価に生かすICF―「プラスの診断学」とは何か―.PTジャーナル 36:507-511,2002
19)大川弥生:生活機能とは何か―ICF:国際生活機能分類の理解と活用―,東京大学出版会,2007
20)大川弥生:介護保険サービスとリハビリテーション―ICFに立った自立支援の理念と技法,中央法規出版,2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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