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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル43巻8号

2009年08月発行

文献概要

特集 ICFと理学療法

[座談会]ICFを理学療法にどのように活かすか

著者: 高村浩司1 阿部美雪2 熊丸めぐみ3 吉尾雅春4

所属機関: 1甲府城南病院 2函館五稜郭病院 3群馬県立心臓血管センター 4千里リハビリテーション病院

ページ範囲:P.679 - P.690

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吉尾 今日は,国際生活機能分類(International Classification of Functioning, Disability and Health:以下,ICF)を理学療法にどのように活かすかについて,皆さんと意見を交換していきたいと思います.もともとリハビリテーションの世界では,国際障害分類(International Classification of Impairments, Disabilities and Handicaps:以下,ICIDH)に基づいて仕事をしてきましたが,様々な問題点が指摘され,2001年にその改訂版としてICFが採択されました.しかし,ICIDHの「障害」という捉え方に馴染んで仕事をしてきた理学療法士にとっては,このICFの考え方が,臨床の場にも,教育の場にも,うまく馴染んでこなかったという印象があります.

 例えば,今でも臨床実習に来る多くの学生たちは,ICIDHに基づいた教育を受けていて,患者さんの全体像よりもその障害にばかり注目した実習が展開されているような気がします.それは,患者さんを理解する上で,ある意味で便利な捉え方ではあるのでしょうが,臨床の中で仕事をしていると,そこにはいろいろな問題があることに気づきます.やはり,もう少しICFへの理解を深めて,それに基づいた臨床をしっかり展開していくことで,患者さんをもっとよい方向に導いていくことが可能なのではないかと思いますし,それによって私たちの生き方そのものにもよい影響が出てくるのではないかと思っています.

参考文献

1)奈良 勲(編):理学療法のとらえかたClinical Reasoning part 3,pp21-30,文光堂,2005
2)大川弥生:特集国際生活機能分類(ICF)の現況と問題点,総合リハビリテーションにおける活用―大きく変化する流れのなかで.総合リハ 37:197-204,2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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