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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル43巻9号

2009年09月発行

文献概要

1ページ講座 理学療法関連用語~正しい意味がわかりますか?

アポトーシス

著者: 中野治郎1

所属機関: 1長崎大学医歯薬学総合研究科理学・作業療法学講座

ページ範囲:P.803 - P.803

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 アポトーシス(apoptosis)とは,体の形作りや新旧細胞の入れ替え,損傷または感染した細胞の除去など,生命体として調和のとれた状態・環境を保つ(ホメオスタシス)ために起きる細胞死,またはその過程をいう.この概念がKerrら1)によって初めて報告されたのは1972年であるが,当時は注目されず,広く受け入れられるようになったのは1990年代後半のことである.その背景には,がんの分子生物学的研究の進歩があり,きっかけとなったのはがん抑制遺伝子の発見である.がん抑制遺伝子は,細胞に異常があれば自ら細胞死するように仕向ける機能,すなわちアポトーシスを誘導する機能を持ち,これに異常が発生すると細胞は死なずにがん細胞となる.このことが明らかになってから,アポトーシスは生命メカニズムを解くための重要な鍵として認識されるようになり,今日までに急速に研究・解明されてきた.

参考文献

1)Kerr JF, et al:Apoptosis:a basic biological phenomenon with wide-ranging implications in tissue kinetics. Br J Cancer 26:239-257, 1972
2)森 亘,他(監訳):基礎病理学第6版,細胞の損傷・細胞死と適応,pp3-28,廣川書店,1999
3)Allen DL, et al:Apoptosis:a mechanism contributing to remodeling of skeletal muscle in response to hindlimb unweighting. Am J Physiol 273:C579-587, 1997

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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