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編集後記 フリーアクセス
著者: 鶴見隆正
所属機関:
ページ範囲:P.856 - P.856
文献購入ページに移動今月の特集は「膝関節疾患の理学療法」です.日野・他論文では,現在も刻々と進化している関節鏡機器の開発の歩みから鏡視下手術の基本手技について紹介し,半月板損傷の手術適応については鏡視像を提示しながらわかりやすく解説しています.関節鏡視下手術は日本で開発された画期的な治療法として多くの医療機関で実施されていますが,その効果をより高めるためにも術式に合致した術後理学療法のあり方が重要となります.羽田・他論文では,ACL再建術の理学療法評価のポイントと術後5か月間の運動療法プログラムを詳述しています.自験例44名の等速性膝伸展・屈曲筋力とROMの回復推移データは,紹介された運動療法プログラムの有効性を裏付けており参考となります.木賀論文では,有床診療所におけるセメントレスTKA後の早期荷重を主体としたクリニカルパスの適応,退院後の生活活動とQOLを重視した実践的な取り組みが紹介されています.患者同士が支え合い,QOLを高め合う「人工関節友の会」の組織化には感心します.田中・他論文では,生活スタイルや心理的状態などを考慮した変形性膝関節症の外来理学療法を,また前田論文では,疼痛や関節運動などの感覚モダリティを重視したTKAの認知運動療法の評価と運動指導,その効果を具体的に解説しています.
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