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特集 これからの理学療法
これからの理学療法士に期待する領域と能力―呼吸器領域から
著者: 安藤守秀1
所属機関: 1大垣市民病院呼吸器科
ページ範囲:P.26 - P.26
文献購入ページに移動 呼吸リハビリテーション(以下,呼吸リハ)は,これまで主に慢性呼吸器疾患の安定期の治療手段として運動療法を中心に発展してきた.現在,慢性期の呼吸リハは在宅ケアの領域にも広がり,訪問リハとしても積極的に実施されるようになってきている.しかし一方で,急性期の呼吸リハは,慢性期と同様に古い歴史をもちながら,これまで未発展のままであった.近年,COPDにおける急性増悪初期からの呼吸リハや,集中治療室で挿管・人工呼吸管理の患者における超急性期の呼吸リハについても,回復後のADLやQOL,予後,人工呼吸器関連肺炎の防止などにおいてその効果を支持する検討が報告されつつある1~3).特に集中治療室における呼吸リハは,外科手術後の患者を中心に非常に大きな需要があり,今後その位置づけが明確になるにつれて重要性が増してくるものと思われる.
集中治療室において呼吸管理をされる患者の多くは,重症で呼吸状態や循環動態が不安定なうえ,多くのリスク因子を抱え,また挿管チューブのほかに中心静脈やCHDF,IABPなどの多数のルート類もつながっており,理学療法の実施には多くの困難が伴う.また呼吸リハは,呼吸管理はもとより全身管理,感染の管理,原病の管理と一体となって進めなければ奏功させることができない.それだけにリハ実施に際してはリスク管理,病態把握に高度の能力が要求される.
集中治療室において呼吸管理をされる患者の多くは,重症で呼吸状態や循環動態が不安定なうえ,多くのリスク因子を抱え,また挿管チューブのほかに中心静脈やCHDF,IABPなどの多数のルート類もつながっており,理学療法の実施には多くの困難が伴う.また呼吸リハは,呼吸管理はもとより全身管理,感染の管理,原病の管理と一体となって進めなければ奏功させることができない.それだけにリハ実施に際してはリスク管理,病態把握に高度の能力が要求される.
参考文献
1)Puhan MA, et al:Respiratory rehabilitation after acute exacerbation of COPD may reduce risk for readmission and mortality-a systematic review. Respir Res 6:54, 2005
2)Schweickert WD, et al:Early physical and occupational therapy in mechanically ventilated, critically ill patients:a randomised controlled trial. Lancet 373:1874-1882, 2009
3)Ntoumenopoulos G, et al:Chest physiotherapy for the prevention of ventilator-associated pneumonia. Int Care Med 28:850-856, 2002
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