文献詳細
文献概要
特集 これからの理学療法
これからの理学療法士に期待する領域と能力―小児領域から
著者: 米山明1
所属機関: 1心身障害児総合医療療育センター
ページ範囲:P.28 - P.28
文献購入ページに移動●はじめに
小児のリハビリテーション(以下,リハ)は「療育」と呼ばれる.「療育の父」と呼ばれる高木憲次は,「療育とは時代の科学を総動員して肢体の不自由をできるだけ克服し,それによって幸にも恢復したら『肢体の復活能力』そのもの(残存能力ではない)をできるだけ有効に活用させ,以って自活の途の立つように育成することである」と定義し,治療,教育,職能教育を同時に行う必要性,身体面への介入だけでなく精神面への配慮についても言及し,個人と家族(保護者)への教育,社会のあり方についても述べた.「療育」はWHOのICF-CY(国際生活機能分類-小児青年期版),障害構造モデルと共通した理念である.子ども自身と取り巻く環境を多角的,包括的に捉え,地域で共に心豊かに生きる支援(=療育)を実現するために,小児リハに求められる視点について述べる.
小児のリハビリテーション(以下,リハ)は「療育」と呼ばれる.「療育の父」と呼ばれる高木憲次は,「療育とは時代の科学を総動員して肢体の不自由をできるだけ克服し,それによって幸にも恢復したら『肢体の復活能力』そのもの(残存能力ではない)をできるだけ有効に活用させ,以って自活の途の立つように育成することである」と定義し,治療,教育,職能教育を同時に行う必要性,身体面への介入だけでなく精神面への配慮についても言及し,個人と家族(保護者)への教育,社会のあり方についても述べた.「療育」はWHOのICF-CY(国際生活機能分類-小児青年期版),障害構造モデルと共通した理念である.子ども自身と取り巻く環境を多角的,包括的に捉え,地域で共に心豊かに生きる支援(=療育)を実現するために,小児リハに求められる視点について述べる.
参考文献
1)日本肢体不自由児協会:高木憲次―人と業績―復刻版,2002
2)国立特別支援教育総合研究所:ICFおよびICF-CYの活用,ジアース教育新社,2007
3)米山 明:肢体不自由という障害の理解,肢体不自由教育の理念と実践,ジアース教育新社,2008
4)米山 明:肢体不自由児の心のケア 第一報:肢体不自由養護学校におけるCBCLを用いた心のケアとその有用性,脳と発達 39(suppl):186,2007
5)特集「小児の地域理学療法」,PTジャーナル 43(5),2009
掲載誌情報