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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル44巻1号

2010年01月発行

文献概要

特集 これからの理学療法

これからの理学療法(士)への期待と希望―理学療法の未来を拓く

著者: 森下一幸1

所属機関: 1浜松市リハビリテーション病院

ページ範囲:P.32 - P.32

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●職域拡大について

 近年,高齢化社会の到来,医療の進歩,救急医療体制の充実など様々な要因により,理学療法士の需要も急速に増加した.私が就職した当時,2万人ほどであった理学療法士数も,現在は毎年1万人を超える卒業生を迎え,有資格者数はまもなく10万人に達し,2027年には30万人になるとの試算がある.仲間が増えることは心強く大いに歓迎すべきことであるが,2016年度の需要見込みは理学療法士数12万人,実際の供給量は14万人を超える1)と予想されており,供給過多の時代を迎える.すでに10年以上も前から「職域の拡大」について提案され,介護保険分野への参入,起業する理学療法士も少しずつ増えているにもかかわらず,十分な拡充は図られていない.医療保険,介護保険分野での活動には限界がみえており,新たな職域開拓が必要な時期に差し掛かっている.もちろん専門性の向上,質の維持,EBM構築に向けた絶え間ない努力も必要だが,個々の活動や行動のみならず,職能団体として一致した方向性を検討しなくてはならない.「産業理学療法」,「予防医学」,「緩和ケア」など時代に即した分野に関心を払い,理学療法士界全体で情報を共有,浸透させ,新規に参入していくための行動が必要である.

参考文献

1)今井公一,他:理学療法士の需給―10年の変遷と将来展望.PTジャーナル 40:1109-1113,2006
2)民主党政策集INDEX 2009,医療政策<詳細版>

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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