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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル44巻1号

2010年01月発行

文献概要

特集 これからの理学療法

理学療法の効果判定に適切な具体的指標は―心理

著者: 富樫誠二1

所属機関: 1大阪河﨑リハビリテーション大学

ページ範囲:P.51 - P.51

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●理学療法の効果に心理の果たす役割

 理学療法は身体とこころに迫る治療体系である.つまり,人間を総体として診ることが重要で,そうしなければ成功しない.理学療法士のような人と人とが関係する職業においては,心理学が重要な役割を果たしてきた.人間のこころを対象にする心理学のフィールドは広く,行動分析学,認知心理学,感情心理学,社会心理学,あるいは発達心理学などがある.

 患者の心理を理学療法の効果判定の指標として用いることは重要である.具体的な指標としては,患者の感情・認知・行動(意思)があり,この3つのプロセスから患者を理解することは,理学療法を効果的に行うために必要である.また,自分の感情・認知・行動を知ることも,効果判定にとって大切であることを忘れてはならない.今回は,感情・認知・行動という一連のプロセスのなかで,喜怒哀楽といった最もプリミティブな感情を取り上げる.感情というと何か捉えられない,わからないものというイメージがある.そのためか,感情ではなく行動に注目することが正しいというような偏った科学論が横行しているが,世界は感情で動いているといっても過言ではない.

参考文献

1)堀 洋道(監):心理尺度集Ⅰ,サイエンス社,2001
1)高橋雅延:認知と感情の心理学,岩波書店,2008
2)村井俊哉:社会化した脳,エクスナレッジ,2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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