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特集 これからの理学療法
理学療法の効果判定に適切な具体的指標は―動作
著者: 佐藤房郎1
所属機関: 1東北大学病院
ページ範囲:P.54 - P.54
文献購入ページに移動 動作や姿勢は,個人(運動,知覚,認知の各処理)と運動課題と環境との相互作用で決定され,柔軟に変化するものと考えられている1).理学療法士が対象とする動作は,日常基本動作からスポーツ領域における特殊な動作(投球動作など)まで広範囲にわたる.動作分析は,治療方略を選択し効果判定する手段として臨床では欠かせないものとなっている.しかしながら,動作分析による観察の視点や判断は,経験的に獲得される暗黙知の領域に含まれ,明示することが困難な技術とされている2).それゆえに,動作や姿勢制御の改善点を科学的に示す手段を確立することが重要な課題になっている.これらを踏まえ,本稿では動作への介入の効果判定に利用できる指標について論ずる.
動作の評価は次のような視点に分類できる.特定の運動課題に対して選択された動作パターンが適切か,動作の速度は実用的な範囲にあるか,そして安定しているかである.動作分析の視点を提示するためには,運動力学やエネルギー効率などの観点から理想的な動作パターンを想定し,基準化する必要がある.
動作の評価は次のような視点に分類できる.特定の運動課題に対して選択された動作パターンが適切か,動作の速度は実用的な範囲にあるか,そして安定しているかである.動作分析の視点を提示するためには,運動力学やエネルギー効率などの観点から理想的な動作パターンを想定し,基準化する必要がある.
参考文献
1)Shumway-Cook A,Woollacot M(著),田中 繁,他(監訳):モーターコントロール,原著第3版,医歯薬出版,2009
2)福島真人:暗黙知の解剖,pp43-50,金子書房,2001
3)Perry J(著),武田 功(監訳):歩行分析 正常歩行と異常歩行,医歯薬出版,2007
4)中村隆一,他:基礎運動学 第6版,pp310-312,医歯薬出版,2003
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