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ひろば
変遷する現実への適応とストレス
著者: 奈良勲1
所属機関: 1神戸学院大学総合リハビリテーション学部
ページ範囲:P.894 - P.894
文献購入ページに移動しかし,障害受容の概念の背景には変遷する現実への適応行動が存在するものであり,それを認識していなければ,障害受容自体が独り歩きしてしまうことが危惧される.さらに,「現実への適応」は現存するすべての人間にとって必要なことである.人間は子宮より現実世界へ出生してから死ぬまでの過程において,あらゆる状況下に曝け出されるからである.当初は重力にはじまり,授乳,排泄,更衣などあらゆるセルフケアを他者に依存している.それでも環境や社会への適応行動として初歩的移動・言語学習などに始まり,次第に高度な適応行動(情意,知,運動などの学習行動と換言してもよい)を習得して,社会の中で特定の役割を担う存在へと成長する.私はこのような過程をハビリテーション(適合・適応)およびリハビリテーション(再適合・再適応)と呼ぶこともできると考えている.
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