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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル44巻10号

2010年10月発行

入門講座 薬と理学療法・4

鎮痛薬・抗リウマチ薬・筋弛緩薬と理学療法

著者: 吉岡充弘1

所属機関: 1北海道大学大学院医学研究科神経薬理学分野

ページ範囲:P.913 - P.920

文献概要

はじめに

 痛みの管理は医学・医療における最も大きな問題の1つである.痛み,なかでも疼痛には不快の情動が付加され,様々な二次的な影響を身体に及ぼす.疼痛は,末梢および中枢神経系における複雑な過程により生じ,それが主観的であるがゆえ,個々の患者自身の痛みの説明に耳を傾けなければならない.鎮痛薬はこのような痛みという一般的症状を緩和させるために用いられるが,適応は急性・慢性を問わず多疾患にわたるため,使用法や副作用に精通していなくてはならない.臨床の場面においても,理学療法の中核をなす運動療法,物理療法,動作練習における鎮痛薬や筋弛緩薬の使用にはよく遭遇する.

 本稿では,鎮痛薬として最も高い頻度で使用される非ステロイド性抗炎症薬を中心に取り上げた(表1)1).また,抗炎症作用はないが鎮痛作用を有するアセトアミノフェンや比較的使用しやすい非麻薬性鎮痛薬に触れ,さらに,理学療法領域で遭遇する「痛み」の対策として不可欠の抗リウマチ薬についても概説を加えた.抗リウマチ薬は炎症兆候を抑えるのみならず,結果的には症状(痛みを含む)を抑制することにつながる.

参考文献

1)高久史磨,他(監),北原光夫,他(編):治療薬マニュアル,医学書院,2010
2)Katzung BG,柳澤輝行,他(監訳):カッツング薬理学,原書10版,丸善,2009
3)Finkel R,et al,柳澤輝行,他(監訳):イラストレイテッド薬理学,原書4版,丸善,2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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