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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル44巻11号

2010年11月発行

文献概要

特集 症例検討―脳血管障害患者を多側面から診る

脳血管障害患者に対する維持期理学療法

著者: 大久保智明1 三宮克彦2 野尻晋一12 中島雪彦2 坂本佳1 井上理恵子2 徳永誠2 渡邊進2 中西亮二2 山永裕明12

所属機関: 1介護老人保健施設清雅苑 2熊本機能病院総合リハビリテーション部

ページ範囲:P.965 - P.972

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はじめに

 当法人では,脳血管障害患者のリハビリテーション(以下,リハビリ)を経験主義でなく神経科学に基づき実施している.また神経機能回復の促進を目的とし,脳の可塑性に裏付けられたリハビリを提供している1~3).具体的には次の3つの視点を重視している.①正常運動をモデルとし,運動の再教育を実施する.運動の獲得が困難な場合,最適な代償的方法を選択する.②科学的基盤に基づき,姿勢を生活場面すべてにおいて制御する.③QOLを高めるため,個別性の高い運動や活動も積極的に行う.この視点でクリニカルパスを用い急性期,回復期,維持期につなげ在宅復帰を目指している4,5).また,脳血管障害患者はその原因となる基礎疾患を有していることが多く,リハビリを実施する際に考慮する必要がある.

 そこで今回,糖尿病,肝硬変を伴う被殻出血患者の症例を神経系,骨関節系,内部障害系の視点で評価し,脳血管障害患者に対する維持期のリハビリについて多側面から検討したので報告する.

参考文献

1)乗松尋道(監訳):アンフレッド脳・神経リハビリテーション大辞典,pp762-803,西村書店,2007
2)岩崎祐三,他(訳):神経リハビリテーション,pp98-112,医学書院,2001
3)野尻晋一,他:都市型リハビリテーション専門病院における脳卒中プログラムと理学療法.PTジャーナル 28:82-87,1994
4)三宮克彦,他:脳卒中治療ガイドラインと回復期・維持期の理学療法.PTジャーナル 40:267-274,2006
5)徳永 誠,他:3種類の在院日数を設定した脳卒中連携クリティカルパス.治療 89:189-195,2007
6)山永裕明,他:被殻出血患者の機能的予後の検討.リハ医学 22:79-85,1985

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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