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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル44巻12号

2010年12月発行

文献概要

特集 股関節疾患の理学療法―update

人工股関節再置換術後の理学療法効果

著者: 小澤明人1 松島哲弥1 佐野久実1 餅越竜也1 大西啓靖23 大西宏之23

所属機関: 1医療法人寿会富永病院リハビリテーション科 2医療法人寿会富永病院整形外科 3大西啓靖記念人工関節研究センター

ページ範囲:P.1049 - P.1055

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はじめに

 「もう一度痛みなくきれいに歩けるようになりたい」.股関節疾患を有する方々の共通する願いである.そのような加齢に伴う股関節疾患に対しては,人工股関節全置換術(total hip arthroplasty:THA)を施行される症例数が増加し,在宅や職業への復帰に向けた様々な取り組みがなされている.

 THA後,多くの症例は長年悩まされ続けた疼痛から解放され,充実した日常生活を送ることができるようになるが,様々な原因により,人工股関節再置換術(以下,再置換術)を余儀なくされる症例も存在する.その症例数は決して多くはないが,再置換術に伴う障害特性を考慮した,詳細な評価と日常生活動作(activities of daily living:ADL)指導を含む理学療法が必要となる.また,症例個々の生活環境や生活背景を考慮した指導や援助に加え,心理的な支援なども重要であり,生活の質(quality of life:QOL)を高めることができる個別性の高い対応が求められる.

 そこで本稿では,再置換術後のプログラムのあり方について再考することを目的として,まず本疾患の障害特性を整理する.そして,障害特性それぞれに対応する理学療法やADL指導などについて記述し,最後にその効果および今後の課題などについて紹介する.なお,クリニカルパスに準じた理学療法を展開できる,二次的な問題点の少ないケースについては簡略な紹介にとどめる.

参考文献

1)相澤純也,他:変形性股関節症保存療法・観血療法の理学療法プログラム.理学療法 25:215-223,2008
2)石井慎一郎:運動器疾患の理学療法における運動制御・学習理論応用の考え方.理学療法 26:803-814,2009
3)井上明生(編著):整形ナースのナットク!人工関節置換術後のケア,メディカ出版,2007
4)大西啓靖(編):我が国の人工関節の研究開発,臨床応用の歩みと21世紀の展望,医療法人寿会富永病院大西啓靖記念人工関節研究センター,2008
5)葛山智宏,他:変形性股関節症に対するセルフエクササイズ.理学療法 25:1044-1051,2008
6)加藤 浩,他:変形性股関節症の理学療法における運動制御・学習理論の応用.理学療法 26:835-848,2009
7)加藤 浩:股関節機能の評価法と臨床推論の進め方.理学療法 25:1289-1303,2008
8)高山正伸,他:人工股関節置換術後の理学療法最前線.理学療法 25:1186-1198,2008
9)多賀厳太郎:脳と身体の動的デザイン 運動・知覚の非線形力学と発達,金子書房,2004
10)鳥巣岳彦,他(編):標準整形外科学,第9版,医学書院,2005
11)長谷川幸治:新・よくわかる股関節の病気,名古屋大学出版会,2008
12)森田定雄:変形性股関節症の病態と整形外科的治療.理学療法 25:210-214,2008
13)山口 創:皮膚感覚の不思議,講談社,2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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