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特集 股関節疾患の理学療法―update
大腿骨頭壊死症に対する関節温存術後の理学療法効果
著者: 石原瞳1 大野範夫2 及川雄司1 渥美敬3 玉置聡3
所属機関: 1昭和大学藤が丘病院リハビリテーション部 2昭和大学藤が丘リハビリテーション病院リハビリテーション部 3昭和大学藤が丘病院整形外科
ページ範囲:P.1057 - P.1064
文献購入ページに移動特発性大腿骨頭壊死症(idiopatic osteonecrosis of the femoral head:ION)は,日本で年間2,000人程度の人が新たに罹患している疾患で,発症年齢が30~40歳代と青壮年期に多く,厚生労働省で特定疾患に指定されている難病である.病因や病態,治療についての研究が活発に行われてきているが,壊死発症の予防法がいまだなく,増加傾向にある重篤な疾患である.また,10歳代や20歳代の発症も少なくなく,若年者に対する関節温存治療は重要であるといわれている.本疾患に対し当院では,関節が温存できる有効な治療法として,大腿骨頭回転骨切り術を年間約30~40例施行している.理学療法士として本疾患の術前後の理学療法(以下,PT)を担当していると,術式や疾患の特徴から,可動域制限や疼痛などに傾向を認めることがある.本手術の最大の目的は,骨頭の壊死域を臼蓋荷重部から移動させ健常域での荷重を可能にすることにあるため,術後の可動域制限や筋力低下,疼痛などは,理学療法士が配慮すべき問題点と考えている.
本稿では,IONとそれに対する大腿骨頭回転骨切り術の特徴について述べ,術前後のPTを展開する上での注意点を踏まえ考察する.
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