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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル44巻12号

2010年12月発行

文献概要

講座 自覚症状別フィジカルアセスメント・4

呼吸循環器系

著者: 野村卓生1 浅田史成2 習田龍3 久保田昌詞2

所属機関: 1大阪保健医療大学理学療法学専攻 2大阪労災病院勤労者予防医療センター 3大阪労災病院循環器内科

ページ範囲:P.1097 - P.1106

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「動悸がする」

1.重要性の認識

 動悸(心悸亢進とも言う)とは,「心臓の拍動を自覚する」ことであり,多くは心拍動に一致して胸部の不快感を伴うのが特徴である.健常者でも,運動後や左側臥位で動悸が認められることがあるが,日常生活のなかで自己の心拍を自覚することはほとんどない.動悸は疾病の重症度と相関するものではなく個人の感受性の問題が大きいため,不整脈など特定の疾患を意味するものとは限らない.すなわち,患者の訴えの程度は基礎疾患の重篤さを必ずしも反映するものではない.

 問題のない動悸と緊急的な対応を要する動悸を鑑別することが,理学療法のリスク管理として重要である.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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