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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル44巻2号

2010年02月発行

文献概要

1ページ講座 理学療法関連用語~正しい意味がわかりますか?

記憶

著者: 池田由美1

所属機関: 1首都大学東京健康福祉学部理学療法学科

ページ範囲:P.143 - P.143

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 例えば,「いい国(1192)つくろう鎌倉幕府」などのように,歴史的出来事の年代を語呂合わせで覚えた経験がある人は多いだろう.こうやって覚えたことは案外忘れないものである.また,「今朝の朝食は何を食べたか」と聞かれた時に,前述の例とは異なり,朝食をとった時にはあえて覚えておこうとしたわけではないにもかかわらず,大方の人は答えられる.あるいは,学生時代の楽しかったことや感動したこと,悲しい出来事など,印象に残っている出来事についてはその内容だけではなく,その時に体験した感情とともに思い出すことができる.どうやら私たちは,意識的にも無意識的にも毎日の生活のなかで様々な情報を取り込み蓄え,必要な時に引き出しているようである.このようなプロセスを記憶という.つまり,記憶とは「新しい経験が保存され,その経験が意識や行為のなかに再生されること」である1)

 記憶には,新しい情報の「登録(記銘)」(符号化),取り込んだ情報の「保持」(貯蔵),保存された情報を思い出す「再生」(検索)という3段階のプロセスが含まれる.記憶のプロセスのうち,直接観察して評価できるのは登録と再生の段階のみである.

参考文献

1)山鳥 重:記憶の神経心理学,神経心理学コレクション,医学書院,2002
2)池田 学:記憶障害の臨床.頭頸部自律神経 22:1-6,2008
3)苧阪満里子:ワーキングメモリー.こころの科学 138:47-51,2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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