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特集 病期別理学療法モデル
急性期理学療法モデル
著者: 横田一彦1 雲野康紀1 芳賀信彦1
所属機関: 1東京大学医学部附属病院リハビリテーション部
ページ範囲:P.189 - P.195
文献購入ページに移動わが国の医療体制は,DPC(diagnosis procedure combination:診断群分類)包括評価制度の導入,医療機関の病期別機能分化など,大きな変革の途上にある.DPC対象病院は年々増加しており,2009年度中には一般病床の約半分がDPC対象病床となる見通しである.
リハビリテーション(以下,リハ)医療においても,2000年4月の診療報酬改定における特定入院料「回復期リハ病棟入院料」の新設と介護保険制度の開始,2006年からは「疾患別リハ料」が導入された.これらの導入目的は,「医療保険においては急性期・回復期の状態に対応し,身体機能の早期改善を目指したリハを,介護保険においては維持期の状態に対応し,生活機能の維持・向上を目指したリハを行うものとし,医療保険と介護保険の役割分担の明確化を行ったもので,切れ目のないリハの推進,医療と介護のリハの連携強化推進のためである」とされている1).このような背景から,医療機関の機能分化や入院日数の短縮,算定日数上限の設定など,医療機関においては病期や期間といった時間軸をより意識した診療への取り組みが必要とされるようになってきている.
以上のような情勢のなか,疾患ごと,障害ごとの理学療法の進め方という捉え方のみでなく,各々の属する病院・施設などが対象とする病期ごとに,対象者の治癒・改善過程に沿った理学療法の進め方を考えていくことも重要となってきている.本稿では,回復期リハ病床をもたない急性期病院である当院の理学療法士の状況を交えながら,急性期における理学療法モデルのあり方について考えていきたい.
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