icon fsr

文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル44巻3号

2010年03月発行

文献概要

特集 病期別理学療法モデル

急性期理学療法モデル

著者: 横田一彦1 雲野康紀1 芳賀信彦1

所属機関: 1東京大学医学部附属病院リハビリテーション部

ページ範囲:P.189 - P.195

文献購入ページに移動
はじめに

 わが国の医療体制は,DPC(diagnosis procedure combination:診断群分類)包括評価制度の導入,医療機関の病期別機能分化など,大きな変革の途上にある.DPC対象病院は年々増加しており,2009年度中には一般病床の約半分がDPC対象病床となる見通しである.

 リハビリテーション(以下,リハ)医療においても,2000年4月の診療報酬改定における特定入院料「回復期リハ病棟入院料」の新設と介護保険制度の開始,2006年からは「疾患別リハ料」が導入された.これらの導入目的は,「医療保険においては急性期・回復期の状態に対応し,身体機能の早期改善を目指したリハを,介護保険においては維持期の状態に対応し,生活機能の維持・向上を目指したリハを行うものとし,医療保険と介護保険の役割分担の明確化を行ったもので,切れ目のないリハの推進,医療と介護のリハの連携強化推進のためである」とされている1).このような背景から,医療機関の機能分化や入院日数の短縮,算定日数上限の設定など,医療機関においては病期や期間といった時間軸をより意識した診療への取り組みが必要とされるようになってきている.

 以上のような情勢のなか,疾患ごと,障害ごとの理学療法の進め方という捉え方のみでなく,各々の属する病院・施設などが対象とする病期ごとに,対象者の治癒・改善過程に沿った理学療法の進め方を考えていくことも重要となってきている.本稿では,回復期リハ病床をもたない急性期病院である当院の理学療法士の状況を交えながら,急性期における理学療法モデルのあり方について考えていきたい.

参考文献

1)厚生労働省(編):平成21年度版厚生労働白書,p124,2009
2)辻 哲也:悪性腫瘍(がん).千野直一(編):現代リハビリテーション医学,第2版,pp488-501,金原出版,2004
3)渡辺 敏,他:大動脈瘤人工血管置換術後運動療法の阻害因子.理学療法学 32:72-76,2005
4)田屋雅信,他:心臓血管外科手術後のリハビリテーションプログラム改訂前後での成績比較.理学療法学 35:56-61,2008
5)熊丸めぐみ,他:心臓外科手術後の離床基準について―全国調査から見た検討.心臓リハビリテーション 13:336-339,2008
6)笛吹 亘,他:脳卒中回復期リハビリテーションへの栄養サポートチーム介入―Functional Independence Measureを用いた効果検証―.Jpn J Rehabil Med 45:184-192,2008
7)古庄寛行,他:大腿骨頸部/転子部骨折症例における歩行能力回復と栄養学的因子の関係.PTジャーナル 43:159-161,2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?