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特集 病期別理学療法モデル
保険制度からみた病期別理学療法の現状と課題
著者: 植松光俊1
所属機関: 1星城大学大学院健康支援学研究科
ページ範囲:P.213 - P.222
文献購入ページに移動はじめに
1965年に理学療法士が国家資格職として誕生してから,理学療法診療報酬は(その誕生当初だけは遅々としながらも)着実に右肩上がりに高くなっていったが,介護保険導入後の2002年を境として下がり続けてきた.そして,さらに2006年の診療報酬改定では,疾患別リハビリテーション料に体系化されるとともに算定日数上限が設けられ,大きく2つの問題が起こった.1つの問題は,理学療法料がリハビリテーション(以下,リハ)料の名の下に包含され,「理学療法」の名称が診療報酬から消え,理学療法士の専門性すら揺るがしかねない状況が起こっていること,そしてもう1つの問題は,算定日数制限からリハサービス提供を強く望む患者・介護保険利用者に「リハ難民」,「介護難民」問題が起こったことである.
本稿では,理学療法関連保険制度・報酬に影響する要因として,①保険報酬の変遷と問題点,②病期分類とその分類要因・保険制度の捉え方,③適正なサービス提供時期・量,について理解を深めたうえで,各病期と施設・事業ごとにみた現状と課題について解説するとともに,それらの改善方策について提言する.
1965年に理学療法士が国家資格職として誕生してから,理学療法診療報酬は(その誕生当初だけは遅々としながらも)着実に右肩上がりに高くなっていったが,介護保険導入後の2002年を境として下がり続けてきた.そして,さらに2006年の診療報酬改定では,疾患別リハビリテーション料に体系化されるとともに算定日数上限が設けられ,大きく2つの問題が起こった.1つの問題は,理学療法料がリハビリテーション(以下,リハ)料の名の下に包含され,「理学療法」の名称が診療報酬から消え,理学療法士の専門性すら揺るがしかねない状況が起こっていること,そしてもう1つの問題は,算定日数制限からリハサービス提供を強く望む患者・介護保険利用者に「リハ難民」,「介護難民」問題が起こったことである.
本稿では,理学療法関連保険制度・報酬に影響する要因として,①保険報酬の変遷と問題点,②病期分類とその分類要因・保険制度の捉え方,③適正なサービス提供時期・量,について理解を深めたうえで,各病期と施設・事業ごとにみた現状と課題について解説するとともに,それらの改善方策について提言する.
参考文献
1)日本リハビリテーション病院・施設協会資料:高齢者リハビリテーション医療のグランドデザイン,2007.7.18
2)砂原茂一:リハビリテーション,岩波新書139,pp18-19,岩波書店,1985
3)近藤克則:訓練量とリハビリテーションの効果.リハ医学 41:849-853,2004
4)日本理学療法士協会資料:「第38回総会並びに代議員会資料」提案議題と見解並びに資料,p187,2009
5)斉藤正身:特集「介護報酬改定でどう変わったか」今回の改定で見えてきた介護保険制度の今後考えられる課題.地域リハビリテーション 4:1008-1011,2009
6)日本理学療法士協会資料:平成19年度全国都道府県理学療法士会会長会議資料,pp36-39,2007
7)日本理学療法士協会資料:厚生労働省医政局医事課勉強会資料,医療保険・介護保険分野での理学療法士の業務実態,2009年6月
8)田中 滋:訪問・通所サービスの新戦略・INTERVIEW「効率的かつ効果的なケア体制の構築を目指したい」.日経ヘルスケア 8:24-25,2009
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