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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル44巻4号

2010年04月発行

文献概要

1ページ講座 理学療法関連用語~正しい意味がわかりますか?

起座呼吸

著者: 解良武士1

所属機関: 1日本医療科学大学保健医療学部リハビリテーション学科

ページ範囲:P.313 - P.313

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 起座呼吸(orthopnea)とは,臥位では呼吸困難感が強いが,座位になるとその症状が軽減する状態を指す.起座呼吸を認める代表的疾患としては,左心不全が挙げられる(表).左心不全において臥位よりも座位のほうが呼吸困難感が軽減するメカニズムには,主に静水圧が影響している.

 肺内血液量,肺気量,気道抵抗などは,臥位と立位のような姿勢の違いによって影響を受ける.立位では静水圧の影響により下肢にかなりの血液が移動する.しかし臥位になると,下肢に貯留されている血液が静水圧の影響下から解放されて頭側へ移動するため,肺内血液量は増加する.その変化量は大きく,立位から臥位になると肺内血液量は30%以上も増加する.これは肺胞や気管のスペースも変化させる量で,全肺気量(TLC)は臥位になると約10%も減少する.量の多少はあれ,座位から臥位に変化しても同様である.このような肺内血液量の変化は,左心不全の症状に大きな影響を及ぼす場合がある.

参考文献

1)花田伸英:起坐呼吸.救急医学 19:389,1995
2)小林一郎:OrthopneaとOrthodeoxia.呼と循 46:893-898,1998

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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