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臨床実習サブノート 臨床実習に不可欠な基本的技能・2
運動療法の組み立て方(1)回復期脳卒中―中等度の麻痺以外に顕著な随伴症状がない場合
著者: 野田裕太1 石田由佳1 松葉好子1 今吉晃1
所属機関: 1横浜市立脳血管医療センターリハビリテーション部
ページ範囲:P.427 - P.434
文献購入ページに移動臨床実習という時間的な制約のあるなかで,運動療法の立案までを理解し,実践することは本当に難しいことだと思います.なかでも脳血管障害をもつ患者さんに対する運動療法は,検査や測定結果だけでは問題点が明確化できず,多様かつ個別性に富む動作の評価や,社会的背景を含めた患者さんの全体像の把握が必要とされることから,臨床実習生(以下,実習生)にとって非常に難易度の高いものといえるのではないでしょうか.実習生の多くは,評価の段階で多くの時間と労力を割かれ,時間に追われるように運動療法の立案や実施段階を迎えることになります.その結果,自らが患者さんに対して行ったはずの評価と運動療法に一貫性がなく,何をやっていいのか,どのような変化がみられているのかがわからなくなる,という事態に陥りがちです.
本稿では,実習生が回復期にある脳血管障害をもつ患者さんを担当した際に,事前の情報収集から運動療法実践までを1つの流れとして理解でき,また,その運動療法が評価と乖離せず,患者さんの個別性に沿ったものとなるためのプロセスを8つに分けて説明します(図).この8つのプロセスは,評価から運動療法実践までのプロセスに,臨床実習だからこそ必要と考える工夫や手順を加えたものです.各プロセスの説明では,まず「ポイント」を挙げ,次に「解説」としてポイントの理由を述べています.ポイントを読み疑問に思ったことは解説で確かめてください.なかでも,本稿では特に,プロセス④からの流れを重点的に解説していきます.
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