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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル44巻6号

2010年06月発行

文献概要

特集 呼吸機能障害とチーム医療

呼吸機能障害における諸問題とチーム医療のあり方

著者: 蝶名林直彦1

所属機関: 1聖路加国際病院呼吸器内科

ページ範囲:P.451 - P.459

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はじめに

 急性の呼吸機能障害は,進行するとたちまち生命を脅かす重大な病態に至るため,機能障害の原因となった疾病の回復に至る期間,生体を維持すべく酸素療法や人工呼吸器療法などの治療法が存在している.人工呼吸管理中のケアについては,全身管理の面からも医師・看護師・臨床工学技士・理学療法士(以下,PT)などチーム医療での対応が不可欠である.その急性期には多くの情報とそれに対する適切な判断が迅速に行われねばならず,PTの関わるべき事柄も増加する.

 今春,診療報酬改定で「呼吸ケアチーム(RST)での加算」が認定され,その適用の条件として「PTも加わり呼吸ケアに当たること」が必須とされている(表1).

 チーム医療の関わり方は人工呼吸管理に至る病態の違い,疾患ごとに異なる.本稿では,なかでも代表的疾患である急性呼吸窮迫症候群(ARDS),慢性閉塞性肺疾患(COPD),および神経筋疾患への理学療法を主とした関わり,さらにweaningから在宅までの回復期の流れなどについて具体的に解説する.

参考文献

1)日本呼吸器学会NPPVガイドライン作成委員会:NPPV(非侵襲的陽圧換気療法)ガイドライン,南江堂,2006
2)谷口博之:呼吸ケアに必要な疾患の知識―ARDS.永井厚志(編);呼吸ケア実践ハンドブック,pp82-88,南江堂,2005
3)日本呼吸器学会COPDガイドライン第3版作成委員会:COPD診断と治療のためのガイドライン,第3版,増悪期の管理―増悪時の薬物療法.pp129-132.メディカルレビュー社,東京.2009.
4)Donaldson GC, et al:Relationship between exacerbation frequency and lung function decline in COPD. Thorax 57:847-852, 2002
5)蝶名林直彦:NPPVの実際例―症例と解説 神経筋疾患.蝶名林直彦(編);NPPVハンドブック,pp106-111,医学書院,2006
6)三浦利彦:拘束性換気障害へのアプローチ.神津 玲(監);呼吸理学療法最新マニュアル-呼吸器ケア,pp229-239,MCメディカ出版,2005
7)片岡健介:エビデンスの明らかでない疾患―間質性肺炎.蝶名林直彦(編);症例から学ぶNPPV―チーム医療の役割分担,pp82-93,克誠堂出版,2010
8)蝶名林直彦:肺の理学療法.胸部外科 61:61-68,2008
9)日本呼吸管理学会,他(編):6分間歩行試験,シャトル・ウォーキング試験.呼吸リハビリテーションマニュアル―運動療法.pp76-82,照林社,2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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