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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル44巻6号

2010年06月発行

文献概要

特集 呼吸機能障害とチーム医療

地域連携の中での呼吸ケアチーム医療と理学療法士の役割

著者: 長谷川信1 田中真理子2 堀江健夫3 土橋邦生4 白倉賢二1

所属機関: 1群馬大学医学部附属病院リハビリテーション部 2前橋赤十字病院リハビリテーション科 3前橋赤十字病院呼吸器内科 4群馬大学医学部保健学科

ページ範囲:P.475 - P.481

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はじめに

 近年,日本における医療の場は,診療報酬改定に伴い,病院を中心とした入院による医療から在宅医療へと次第に変遷しつつある.また,包括的診療報酬制度(diagnosis procedure combination:DPC)の導入により,入院患者は入院期間の短縮を迫られ,早期退院,転院を余儀なくされる情勢となった.リハビリテーションにおいても,疾病の時期(急性期・回復期・維持期)によって最適な医療提供が行えるよう医療機関の機能分化が求められている.すでに脳血管障害や大腿骨頸部骨折に関しては,多施設で作成した地域連携パスの導入・運用による診療報酬が認められている.これは,日本において医療機関の連携が重要視されている結果である.

 筆者らは,呼吸機能障害を有する方が在宅で安心な生活が過ごせるように,2005年より地域プロジェクトチームを結成し,地域包括的呼吸リハビリテーションの提供を模索してきた.その最初のプロジェクトとして,慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease:COPD)急性増悪後の呼吸リハビリテーション地域連携クリニカルパスを作成・運用した.本稿ではこのチーム医療展開の経緯とチーム医療の中における理学療法士の役割について紹介する.

参考文献

1)木田厚瑞(編著):LINQによる包括的呼吸ケア セルフマネジメント力を高める患者教育,医学書院,2006
2)Fukuchi Y, et al:Chronic obstructive pulmonary disease in Japan;the Nippon COPD Epidemiology study. Respirology 9:458-465, 2004
3)新村 出(編):広辞苑第六版,岩波書店,2008
4)日本病院管理学会学術情報委員会(編):医療・病院管理用語事典,エルゼビアジャパン,2006
5)Wagner EH:Chronic disease management:what will it take to improve care for chronic illness?”Effective Clinical Practice 1:2-4, 1998
6)Bourbeau J:最適なCOPDケアの実践をめざして 医療者との共同作業によるセルフマネジメントの展開.THE LUNG-perspectives 16:425-430,2008
7)Bourbeau J, et al:Self-management strategies in chronic obstructive pulmonary disease. Clin Chest Med 28:617-628, 2007
8)Bourbeau J, et al:Reduction of hospital utilization in patients with chronic obstructive pulmonary disease:a disease-specific self-management intervention. Arch Intern Med 163:585-591, 2003
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10)立川幸治,他:クリニカルパスがかなえる! 医療の標準化・質の向上 記録のあり方から経営改善まで,医学書院,2005
11)長谷川信,他:COPDに対する呼吸リハビリテーション地域連携パスの作成と導入(第1報).日本呼吸管理学会誌 16:149,2006
12)長谷川信,他:COPD急性増悪に対する地域連携パス用いた一症例.理学療法学 4(Suppl 2):417,2007
13)長谷川信,他:安定期COPD急性増悪予防における理学療法士の役割.理学療法学 35(Suppl 2):875,2008
14)堀江健夫,他:COPD診療体制の確立へ向けた呼吸リハビリテーション地域パスの作成.日本クリニカルパス学会誌 8:451,2006
15)堀江健夫,他:地域で育つCOPDマネジメント 疾病管理体制の確立へ向けた地域連携パスの活用.日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 18:18-23,2008
16)堀江健夫,他:COPDの地域連携におけるクリニカルパスの作成と実践.治療 20(増刊号):1249-1254,2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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