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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル44巻7号

2010年07月発行

文献概要

報告

ブリッジ運動における足部の高さと頭部の位置が体幹・股関節伸展筋活動に及ぼす影響

著者: 井上拓也1 伊藤浩充2 池添冬芽3 小林紗織4 傍島崇史5 市橋則明3

所属機関: 1財団法人田附興風会医学研究所北野病院 2甲南女子大学看護リハビリテーション学部理学療法学科 3京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻 4吉田病院付属脳血管研究所リハビリテーション部 5株式会社プロフェッショナルトレーナーズチーム

ページ範囲:P.617 - P.622

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要旨:本研究の目的は,ブリッジ運動における足部の高さと頭部の位置が体幹・股関節伸展筋の筋活動に及ぼす影響について検討することである.対象は健常成人30名とした.脊柱起立筋胸椎部,脊柱起立筋腰椎部,大殿筋,大腿二頭筋の筋活動量,ならびにこれら主動筋間の筋活動比を算出した.ブリッジ運動は,頭部を挙上させない通常の場合と,頭部を挙上させて行う場合の2つの条件下で,足部の高さを床面から-20cm,0cm,20cmと変化させた.その結果,足部を高くすることで脊柱起立筋胸椎部・腰椎部の筋活動量は増加した.一方,足部を低くすることで大殿筋の筋活動量は増加し,脊柱起立筋腰椎部と大腿二頭筋に対する大殿筋の筋活動比はともに高まった.また,頭部を挙上させることで大殿筋の筋活動量は増加し,脊柱起立筋に対する大殿筋の筋活動比および脊柱起立筋胸椎部に対する腰椎部の筋活動比も高まった.本研究の結果から,ブリッジ運動において足部高を変化させ,あるいは頭部を挙上させることで,主動筋群内のより選択的なトレーニングが可能であることが示唆された.

参考文献

1)岩月宏泰,他:ブリッジ動作の運動学的解析.運動生理 3:243-246,1988
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3)Ekstrom RA, et al:Electromyographic analysis of core trunk, hip, and thigh muscles during 9 rehabilitation exercises. J Orthop Sports Phys Ther 37:754-762, 2007
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9)Vink P, et al:Specificity of surface-EMG on the intrinsic lumbar back muscles. Hum Mov Sci 8:67-78, 1989
10)SENIAM recommendations for determination of sensor location:http://www.seniam.org/
11)嶋田智明,他:筋骨格系のキネシオロジー,pp430-445,医歯薬出版,2005
moment arm lengths for hip extensor muscles at different angles of hip flexion. J Biomech 18:129-140, 1985

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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