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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル44巻8号

2010年08月発行

文献概要

1ページ講座 理学療法関連用語~正しい意味がわかりますか?

支持基底面

著者: 宮崎哲哉1

所属機関: 1浜松市リハビリテーション病院リハビリテーション部

ページ範囲:P.683 - P.683

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 支持基底面(base of support:BOS)とは,体重や重力により圧を感じることができる身体表面(支持面)とその間にできる底面のことをいう.健常人の場合,重心線(line of gravity)がこの支持基底面から外れると,転倒するかそれを防ぐための戦略が取られる.ヒトは地球上に生きる限り重力の影響を必ず受けて生活せざるをえないため,支持基底面という概念が存在することとなる.

 身体の安定性には,基本的に支持基底面の広さ,支持基底面内の重心線の位置に加え,支持基底面に対する重心(center of gravity)の相対的な高さが影響を与える.一般に支持基底面に対し重心が高い位置にあれば安定性は低下し,重心が低い位置にあれば安定性は増す.幼児で考えると,一見重心は低い位置に存在するように思われるが,頭部の大きさのために相対的な重心の高さは成人に比して高くなる.その結果として転倒しやすくなるわけである.またヒトに限定すればその身体は1つの剛体ではなく,各関節からなる分節を有した複合体である.つまり単体としての重心のみで安定性は説明できず,関節可動域や筋力,感覚入力による姿勢コントロールも,支持基底面を基準として安定性を語るうえでは重要な因子となる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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