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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル45巻1号

2011年01月発行

文献概要

特集 自立支援

頸髄損傷と自立支援

著者: 浜岡憲二1

所属機関: 1労働者健康福祉機構吉備高原医療リハビリテーションセンターリハビリテーション科

ページ範囲:P.5 - P.11

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はじめに

 対象者のリハビリテーションを考える上で,彼らの全体像を捉えることはその第一歩となる.従来の枠組みであった国際障害分類(International classification of impairments,disabilities and handicaps:ICIDH)は,機能障害,能力障害,社会的不利という障害レベルが直線的に作用するという考え方であり,主に障害と疾患の帰結の因果関係をみるものであった.これに対して2002年より,国際障害分類の改訂版である国際生活機能分類(International classification of functioning,disability and health:ICF)が新しく導入された.これは,対象者の健康との関連について,以下に述べる2つの部門と各2つの構成要素が相互的に作用していると考え,生活機能モデルとして全体像を見るものである1,2)

 第1部の生活機能と障害は,心身機能と身体構造,活動と参加が構成因子となり,第2部の背景因子では環境因子と個人因子が構成要素となる.この枠組みで考えると,頸髄損傷における作業療法は,対象者の背景因子を考慮しつつ,主に活動と参加に関与することになる.

参考文献

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2)大川弥生:総合リハビリテーションにおける活用―大きく変化する流れの中で.総合リハ 37:197-204,2009
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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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