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特集 認知症と理学療法
認知症の診断と治療
著者: 小阪憲司1
所属機関: 1メディカルケアコート・クリニック
ページ範囲:P.823 - P.829
文献購入ページに移動はじめに
現在わが国の認知症患者は約270万人と推計され1),人口の高齢化が進むにつれ,ますます認知症患者が増加することは間違いない.認知症の原因は多彩であるが,高齢者では脳の老化と密接に関連するアルツハイマー型認知症,レビー小体型認知症,脳血管性認知症がそれぞれ約50%,20%,15%と,認知症のほとんどを占め,これらは三大認知症と呼ばれる2).その他にも,ピック病を含む前頭側頭葉変性症やハンチントン病などの変性性認知症に加えて,種々の脳炎,脳腫瘍,脳外傷,代謝性・中毒性脳障害などによっても認知症が起こることもある.それらすべてについて述べるだけの紙数はないので,筆者の認知症の分類3)を表1に挙げるのみにして,ここでは三大認知症2)を中心に述べることにする.
現在わが国の認知症患者は約270万人と推計され1),人口の高齢化が進むにつれ,ますます認知症患者が増加することは間違いない.認知症の原因は多彩であるが,高齢者では脳の老化と密接に関連するアルツハイマー型認知症,レビー小体型認知症,脳血管性認知症がそれぞれ約50%,20%,15%と,認知症のほとんどを占め,これらは三大認知症と呼ばれる2).その他にも,ピック病を含む前頭側頭葉変性症やハンチントン病などの変性性認知症に加えて,種々の脳炎,脳腫瘍,脳外傷,代謝性・中毒性脳障害などによっても認知症が起こることもある.それらすべてについて述べるだけの紙数はないので,筆者の認知症の分類3)を表1に挙げるのみにして,ここでは三大認知症2)を中心に述べることにする.
参考文献
1)栗田主一,他:平成19年度厚生労働科学研究費補助金研究分担報告書,pp135-156,2008
2)小阪憲司:三大認知症の特徴と診断;レビー小体型への認識向上を.Asahi Medical 2010年5月号:16-17,2010
3)小阪憲司:認知症のICD-10改訂(ICD-11)に向けて.Dementia Japan 22:261-268,2008
4)American Psychiatrist Association,高橋三郎,他(訳):Quick Reference to the Diagnostic Criteria from DSM-Ⅲ-R.DSM-Ⅲ-R精神障害の分類と診断の手引,医学書院,1990
5)朝田 隆(編著):軽度認知障害(MCI)―認知症に先手を打つ.中外医学社,2007
6)小阪憲司:老化性痴呆疾患におけるPseudobeschaeftigungについて.老年精神医学 2:88-92,1985
7)小阪憲司:レビー小体型認知症の発見から現在まで―臨床診断基準改訂版を含めて.精神医学 49:685-689,2007
8)小阪憲司:レビー小体型認知症.日本臨牀 66(増1) 341-345,2008
9)小阪憲司:びまん性レビー小体病.脳の科学 22(増):324-327,2000
10)McKeith I, et al:Consensus guidelines for the clinical and pathological diagnosis of dementia with Lewy bodies(DLB). Neurology 47:1113-1124, 1996
11)小阪憲司,他:レビー小体型認知症の臨床,医学書院,2009
12)小阪憲司:知っていますか レビー小体型認知症,メディカ出版,2010
13)田辺敬貴:痴呆の症候学,医学書院,2000
14)小阪憲司:レビー小体型認知症の最新治療 安心 2010年3月号:68-74,2010
15)小阪憲司,他:レビー小体型認知症の介護ガイドブック,メディカ出版,2011
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