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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル45巻11号

2011年11月発行

文献概要

特集 チーム医療における理学療法士の役割

褥瘡対策チームと理学療法士

著者: 篠山潤一1

所属機関: 1兵庫県立総合リハビリテーションセンター

ページ範囲:P.937 - P.942

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はじめに

 入院患者にとって褥瘡の発生は,活動性を著しく低下させられるだけでなく,長期の臥床を余儀なくされ,入院生活に大きな影響を及ぼす.褥瘡は看護師だけがベッド上で予防するものではなく,医療チームが準備と計画性を持って知識の共有や対応を行うことが必要であり,そのなかで理学療法は,褥瘡の予防・発生後のケアに貢献できる.

 日本理学療法士協会においても2005年度に褥瘡対策特別委員会が発足し,翌年には各施設で設置されている褥瘡予防対策委員会での理学療法士の役割や取り組み方法を明確にするため,各ブロックで開催された学会において褥瘡対策シンポジウムが開催され,各施設において取り組みが継続・発展しているところである.厚生労働省においても「チーム医療の推進に関する検討会」や「チーム医療推進協議会」などによって議論がなされ,チーム医療を推進するため,医療職等の協働・連携の在り方が検討されている.

 そのなかで,チーム医療の推進のために①各医療スタッフの専門性の向上,②各医療スタッフの役割の拡大,③医療スタッフ間の連携・補完の推進,といった方向を基本として,関係者がそれぞれの立場で様々な取り組みを進めるとしている.また,リハビリテーション関係職種については,患者の運動機能を維持し,生活の質(QOL)の向上を推進する観点から,専門性を十分に活かし安全で質の高いリハビリテーションを提供できるよう,それぞれの業務範囲の拡大などを行うべきと報告されている.

 ここでは,当センター内にある中央病院での脊髄損傷者に対する褥瘡対策チームの取り組みを中心に,褥瘡対策チーム内における理学療法士の関わりについて述べる.

参考文献

1)山田道廣:褥瘡:図解理学療法技術ガイド,第2版,pp1057-1063,文光堂,2001
2)福井基成:決定版 褥瘡治療マニュアル,pp24-33,照林社,2001
3)日本褥瘡学会(編):褥瘡局所治療ガイドライン,pp35-38,日本褥瘡学会,2005
4)日本褥瘡学会(編):褥瘡予防・管理ガイドライン,pp35-69,日本褥瘡学会,2009
5)澤村誠志,他:リハビリテーション連携論,三輪書店,2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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