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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル45巻11号

2011年11月発行

文献概要

症例報告

大腿四頭筋廃用性筋萎縮から改善し独歩可能となった重症型血友病Aインヒビター保有の一症例

著者: 下川亜希子1

所属機関: 1独立行政法人国立病院機構福井病院リハビリテーション科

ページ範囲:P.983 - P.987

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要旨:血友病の止血治療は,凝固因子製剤の進歩により確立された.しかし,欠損因子への抗体(インヒビター)が発生した患者では止血方法は確立されていない.そのため頻回の出血と止血不良による関節の機能障害や破壊がより大きな問題となっている.今回インヒビター保有患者が理学療法目的の入院により,車いす移動から独歩可能になった1例を経験したので報告する.

 症例はインヒビター保有の重症型血友病Aである.入院時,左膝関節は末期関節症,左大腿四頭筋廃用性筋萎縮の状態で歩行不可能であった.止血管理のため活性型第Ⅶ因子製剤を用い,左膝関節を中心とした理学療法を行った.理学療法を妨げる主因は出血と考え,理学療法の進行をあせらず十分な筋力をより安全に獲得することを目指し,長下肢装具を利用するなど工夫して独歩退院を達成した.

 インヒビター保有患者であってもQOL向上には積極的な理学療法が有効であると考える.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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