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文献概要
とびら
『上手』『下手』
著者: 茶家康吉1
所属機関: 1市立大洲病院
ページ範囲:P.993 - P.993
文献購入ページに移動「下手にも上手の悪いところが見えた場合.あんなに上手なのに欠点があるものだ,という事は初心の自分にはさぞかし欠点も多いはずと悟りこれを恐れ人にも尋ね工夫する.これが良い勉強良い稽古となって能は早く上達するだろう.かたや自分はあのような悪い芸などをするはずがないと慢心を持てば,自分の長所をもわきまえなくなる.長所を知らねば短所をよしとしてしまうもの.こうなるといくら年季を積んでも,能は上がらない.これすなわち下手の心というものである.さればたとえ上手であっても,思い上がりは能を下げる.(中略)上手は下手の手本,下手は上手の手本とわきまえ工夫すべし」
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