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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル45巻12号

2011年12月発行

文献概要

特集 下肢機能再建と理学療法

変形性関節機能障害に対する下肢機能再建と理学療法

著者: 八木茂典12 森戸俊行3

所属機関: 1東京西徳洲会病院スポーツリハビリテーションセンター 2東京医科歯科大学大学院運動器外科学分野 3東京西徳洲会病院関節外科

ページ範囲:P.999 - P.1005

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はじめに

 変形性膝関節症(osteoarthritis of the knee:以下,膝OA)は,中・高年者に多くみられる疾患であり,60歳以上では人口の80%以上に何らかのX線学的な変化が出現し,約40%に症状があり,約10%が日常生活に支障を来しているといわれている1).本邦においては,X線評価による膝OA発生率は40~65歳において男性5~20%・女性10~25%,60~85歳において男性20~60%・女性40~80%と報告されている2).本邦における膝OAは1,000万人で,年間90万人もの新たな発生者があり,高齢化社会の進展に伴い罹患数は増加傾向にある3)

 人口膝関節置換術(total knee arthroplasty:TKA)は膝OAに対する治療のひとつで,除痛にすぐれ,荷重を受けることができ,内外反変形を矯正し,安定した長期成績が期待できる4).本邦における人工膝関節置換術は2009年には69,349件であり,年々増加している5)

 本稿では,膝OAに対するTKA術式とその理学療法について述べる.

参考文献

1)Chamberlain MA, et al:Physiotherapy in osteoarthritis of the knee. Int Rehab Med 4:101-106, 1982
2)大森 豪,他:変形性膝関節症の発症および悪化因子.総合リハ 29:221-225,2001
3)川村秀哉,他:変形性膝関節症の疫学―患者数推定と患者調査結果の検討.整形外科と災害外科 44:12-15,1995
4)Gill GS, et al:Total condylar knee arthroplasty. 16 to 21year results. Clin Orthop Relat Res 367:210-215, 1999
5)株式会社矢野経済研究所:2010年度版メディカルバイオメカニクス(人工臓器)市場の中期予測と参入企業の徹底調査,第21版,2010
6)Berger RA, et al:Malrotation causing patellofemoral complications after total knee arthroplasty. Clin Orthop 356:144-153, 1998
7)Insall JN, et al:Surgical techniques and instrumentation in total knee arthroplasty. Insall JN, et al(eds):Surgery of the knee, 3rd ed, pp1553-1620, Churchill Livingstone, New York, 2001
8)Matsueda M, et al:Soft tissue release in total knee arthroplasty cadaver study using knees without deformities. Clin Orthop 366:264-273, 1999
9)Restrepo C, et al:Safety of simultaneous bilateral total knee arthroplasty. A meta-analysis. J Bone Joint Surg Am 89:122-1226, 2007
10)整形外科リハビリテーション学会(編):関節機能解剖学に基づく整形外科運動療法ナビゲーション下肢・体幹,pp128-131,メジカルビュー,2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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