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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル45巻2号

2011年02月発行

文献概要

理学療法臨床のコツ・14

住宅改修アドバイスのコツ―浴室

著者: 五十嵐進1

所属機関: 1白根大通病院リハビリテーション科

ページ範囲:P.146 - P.148

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はじめに

 高齢者や障害者の退院時,病院スタッフの協力を得て住宅改修や住環境整備が行われる.介護保険制度を利用する際,介護支援専門員(ケアマネージャ)と利用者,家族,建築士(工務店)など多職種による総合的な調整を図り,どこに問題があり,どう改修すればどのような移動や動作ができるか,などと検討することは重要である.しかし,自宅に戻ってしばらく生活すると,暮らしやすくするために行った住宅改修が生活に合わなくなることもよくある.リハビリテーション(以下,リハ)室あるいは病室で行う状況から考えられる日常的な活動が,必ずしも在宅で再現できるとは限らないからだ.予想を超えて良くなる場合もあるが,同様に悪化することもある.退院時,家族や本人はかなり神経を使っており,普通は現状を理解することが精一杯で,今後の生活のことを考える余裕などない.高齢者などは病院での条件より少しでも悪くなると恐怖や諦めのほうが先立つ場合が多いのではないか.また,病院だから頑張れるという場合もあったのではないだろうか.

 ケアマネージャ研修会のアンケートでは,「回復期リハが終了したら,訪問リハで実用的な動作の自信をつけてもらうことを,改修工事と合わせると有効的になると思う.」「病院の理学療法士・作業療法士の方々が自宅へ訪問し,1,2度動作確認して改修工事の指示をしても,毎日の動作となると微妙なずれが生じると思う.」「その微妙なずれをケアマネージャが予測できるかは受け持った期間にもより,退院時に初めて担当したような場合は難しいのではないか.」というような意見があった.どんな暮らしがしたいか,少し時間をかけて見守っていくことも大切なようだ.

参考文献

1)大竹司人,他:ケアマネージャーが知っておくべき福祉住環境コーディネート,東京都高齢者研究・福祉振興財団,2005
2)市川 烈,他:福祉用具とアセスメントマニュアル,中央法規出版,1998
3)国際福祉機器展:福祉機器の選び方使い方2009住宅改修編,保健福祉広報協会,2009
4)堤 文生:在宅介護におけるイレクターの活用.福祉介護機器TECHNOプラス実用講座 2:17-23,33-38,2009
5)市川 烈,他:It's a福祉用具 社会参加の為に,東京都高齢者研究・福祉振興財団,2004
6)鶴見隆正,他:現場から学ぶ 自立支援の為の住宅改修,医学書院,2007
7)加島 守:住宅改修アセスメントのすべて,三和書籍,2009
8)野村 歡,他:OT・PTのための住環境整備論,三輪書店,2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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