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編集後記 フリーアクセス
著者: 金谷さとみ
所属機関:
ページ範囲:P.188 - P.188
文献購入ページに移動理学療法は,そのような一線からは若干離れた位置にあり,在宅医療で最も重要な「緊急時」をともすれば見失いがちになる.結果,在宅医療の流れについて行く形になる.医療機関にはケアが不足し,介護事業所には医療が不足しているが,それを埋められるものはリハビリテーションだと言った人がいる.ある意味その通りであるが,医療と介護の実際の境目では,理学療法はぼやけてしまっているのではないか.数年前,在宅診療に取り組む経験豊富な医師に,「在宅療養されている患者様を診るとき,どのように大別して取り組みますか」と質問したことがある.このような奇問に,その医師はすぐに答えてくれた.「療養か緩和かを判断して取り組みます」.理学療法は医師のこのような判断の下で実施するものである.理学療法士はもっと医師に近づき,在宅での療養や終末期を支える一人として,もっと役に立つ取り組みを探さなければならないと考えた次第である.
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