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特集 脳卒中片麻痺患者の装具と運動療法
脳卒中片麻痺の積極的装具療法の進め方
著者: 髙木治雄1
所属機関: 1医療法人慧明会貞松病院リハビリテーション科
ページ範囲:P.201 - P.208
文献購入ページに移動はじめに
長下肢装具は麻痺側下肢で身体を支持することができない時に処方され,立位や歩行を補助するものとして重要である.一方,正常な歩行パターンを獲得できない,重い,膝ロックが難しい,着脱の困難さから実用的でないという理由や身体機能の回復を阻害するという判断で処方されないことや,リハビリテーション後に残存した機能障害の代償・補助を目的とした最終手段として用いられることも多かった1~2).
近年,早期に集中したリハビリテーションが患者の回復に重要であることは周知されており,重度の脳卒中片麻痺者に長下肢装具を使用し,早期から立位,歩行練習を行うことは脳卒中ガイドライン2009でも推奨されている3).しかしその適応,使用方法など,統一・体系化された装具療法は存在しておらず,麻痺肢を含めた機能改善を目的とした報告はあまり見られない.
近年は装具の進歩により,機能の改善を目的とした本来の治療用装具としての装具の活用が可能となってきている.油圧制動足継手付き底屈制動(Gait Solution:以下,GS)長下肢装具を使用した歩行練習の実施が,健常歩行相に近似する下肢の筋活動を誘発することも報告されている4).このように,麻痺側機能の改善を目的とし,歩行補助具としての視点だけでなく運動療法の道具としての視点も重要である.
今回は,脳卒中リハビリテーションの現状における問題点と当院で実施している装具を用いた重度脳卒中片麻痺者に対する理学療法アプローチについて報告する.
長下肢装具は麻痺側下肢で身体を支持することができない時に処方され,立位や歩行を補助するものとして重要である.一方,正常な歩行パターンを獲得できない,重い,膝ロックが難しい,着脱の困難さから実用的でないという理由や身体機能の回復を阻害するという判断で処方されないことや,リハビリテーション後に残存した機能障害の代償・補助を目的とした最終手段として用いられることも多かった1~2).
近年,早期に集中したリハビリテーションが患者の回復に重要であることは周知されており,重度の脳卒中片麻痺者に長下肢装具を使用し,早期から立位,歩行練習を行うことは脳卒中ガイドライン2009でも推奨されている3).しかしその適応,使用方法など,統一・体系化された装具療法は存在しておらず,麻痺肢を含めた機能改善を目的とした報告はあまり見られない.
近年は装具の進歩により,機能の改善を目的とした本来の治療用装具としての装具の活用が可能となってきている.油圧制動足継手付き底屈制動(Gait Solution:以下,GS)長下肢装具を使用した歩行練習の実施が,健常歩行相に近似する下肢の筋活動を誘発することも報告されている4).このように,麻痺側機能の改善を目的とし,歩行補助具としての視点だけでなく運動療法の道具としての視点も重要である.
今回は,脳卒中リハビリテーションの現状における問題点と当院で実施している装具を用いた重度脳卒中片麻痺者に対する理学療法アプローチについて報告する.
参考文献
1)Yamanaka T, et al:Stroke rehabilitation and long leg brace Top Stroke Rehabil 11:6-8, 2004
2)加倉井周一,他(編):麻痺性疾患・神経筋疾患1脳卒中:装具治療マニュアル,pp41-86,医歯薬出版,2004
3)脳卒中合同ガイドライン委員会:脳卒中治療ガイドライン2009,協和企画,2009
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5)江西一成:脳血管障害者における臥床の危険性と対策.MB Med Reha 72:63-70,2006
6)吉尾雅春:脳血管障害の理学療法介入におけるクリニカルリーズニング.PTジャーナル 43:107-113,2009
7)潮見泰藏(編):脳卒中に対する標準的理学療法介入,pp2-10,文光堂,2007
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10)髙木治雄:回復期脳卒中片麻痺者に対するGait Solution長下肢装具の適応.日本義肢装具学会誌 26:154,2010
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16)潮見泰藏,他(訳):起立動作と着座動作,脳卒中の運動療法―エビデンスに基づく機能回復トレーニング,pp106-128,医学書院,2004
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18)髙木治雄:脳卒中片麻痺に対するGait Solution長下肢装具の適応.長崎理学療法 10:43-46,2009
19)久米亮一:脳血管障害による片麻痺患者が在宅移行後に装具を有効に活用するために.POアカデミージャーナル 16:139-146,2008
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