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ひろば
終末期における理学療法の位置づけを再考する
著者: 池田耕二12 山本秀美1 中田加奈子1
所属機関: 1道仁病院リハビリテーション科 2大阪電気通信大学大学院医療福祉工学研究科
ページ範囲:P.240 - P.240
文献購入ページに移動理学療法は生活の質(QOL)の向上を目的としながらも,病期によってその位置づけに違いがみられる.例えば,急性期には医学モデルのもとで病状の回復を目指し,回復期には身体回復モデルのもとで社会復帰を目指す.また維持期には社会モデルのもとで社会適応,つまりいかに快適に暮らすかを模索するという位置づけがある.それでは,終末期はどうか.終末期もQOLの向上を目指すことに異論はないが,それが実感しにくい点が他のモデルと異なるため,明確な位置づけも提起できていないように思われる.
筆者が終末期理学療法実践の現場で日頃感じているのは,患者は人生を振り返りながら「これで良かった」「それでも幸せだった」と一つ一つのことに意味や価値付けを行い,自分自身や家族を納得させているということである.QOLが個人(価値観など)と環境(状況や文化など)の関係性から構築されるものであることを踏まえれば,価値観や状況が変われば当然QOLも再構築されるものと考えられる.したがって,その中で如何に患者が納得できるQOLを再構築できるかが焦点となり,患者らは自らを問い直しながらQOLの再構築を行い,納得性を引き出していると推察できる.
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