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入門講座 訪問理学療法の基本・3
安全管理とリスク管理
著者: 大森豊1 平野康之2 齋藤崇志1
所属機関: 1訪問看護リハビリテーションネットワークリハビリテーション部 2徳島文理大学保健福祉学部理学療法学科
ページ範囲:P.249 - P.257
文献購入ページに移動昨今の医療情勢の変化により,医療機関での在院日数は減少の傾向にある.厚生労働省の調査では,理学療法の対象が多く含まれると考えられる一般病床における平均在院日数は,1985年で39.4日,2000年で30.4日,2005年で19.8日,2009年で18.8日と激減している1).単純に考えても,訪問での理学療法の対象となる患者は慢性期だけではなく回復期と考えられる人も増えているのが現実であろう.当然,そのような対象者のなかには以前よりもリスクの高い方も少なくないと考えられる.
訪問で理学療法を行うためには様々なリスクが想定されるが,それらは,医学的なリスク,環境リスク,対人関係リスク,経営・管理リスクの4つに分類されよう(表1).リスクとは,ある事柄により発生する事故や事柄についての概念であるが,リスク管理とは,リスクを組織的に管理し,事故や損失などを回避もしくは,それらの低減を図るプロセスを言う.
本稿では,リスク管理という観点から,医学的リスク,経営・管理上のリスク管理の一部(事故,訴訟への対応,感染症予防)について,職員教育という観点も交えて述べたい.
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