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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル45巻5号

2011年05月発行

文献概要

とびら

気づき

著者: 菅原慶勇1

所属機関: 1市立秋田総合病院

ページ範囲:P.367 - P.367

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 “今時の若いPTは”と,昔はよく言われたものである.今日に至っては若いPTが優秀なのか,物分かりが良いのか,はたまた私自身若いPTとのつき合いが希薄になってしまったのか,言うこともないし耳にもしない.同僚に負けまいと突っ張り,勢いだけで過ごした20代であったと振り返り,自己嫌悪に陥る.周りの朋輩もそんな感じであるから,われわれ古参は,今時の若いPTを見習うべきなのかもしれない.ただ,何か物足りない.怒られたことは,今でもよく覚えている.怒られたことは二度と繰り返すまいと注意を払い,周到に調べ,考え抜いた末に納得し行動に移す.この考えるプロセスを持つ意識が大切である.そこには気づきが生まれる.

 物事には程度(ほど)がある.素直さもである.今時の学生は何でも聞いてくる.確かに“何でも聞きなさいよ”と言った覚えはあるが,それは学生自ら調べることも前提としている.カンファレンスで意思決定が医師主導であった場合は,なぜか納得いかないことが多い.多くのスタッフが意思決定に絡んで考え抜いてこそ,気づきが生まれる.学生が,幼子のように“なんで,どうして”と努力なしに聞くのは,言うなれば独断でわがままである.そこに気づきはなく,生産性もない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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