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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル45巻5号

2011年05月発行

文献概要

特集 がん患者のリハビリテーションと理学療法

がん患者の体力消耗状態に対する理学療法の進め方

著者: 額田愛子1

所属機関: 1広島大学病院診療支援部リハビリテーション部門

ページ範囲:P.383 - P.389

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はじめに

 がんは2~3人に1人がかかる身近な病気であり,現在でも死亡率の第1位である.がんに関する予防と治療の研究は日進月歩で,手術療法,化学療法,放射線療法を組み合わせた集学的治療の進歩は治癒率や生存率を年々上昇させてきた.それとともに,がんそのものによる体力低下や治療に伴う二次的障害による運動機能や生活機能の低下,つまりがん患者の生活の質(QOL)についても関心が高まっている.日常生活活動(ADL)は終末期まで比較的保たれ,死亡の直前までいろいろなことが患者自身で行えることも多い.亡くなる2週くらい前までは自力移動が可能で,その後徐々に各動作に障害が出現する.やがて移動や排便,排尿が死亡の10日くらい前からできなくなり,食事や排泄は1週間くらい前から,水分摂取や会話・応答は2~3日前からできなくなってくる1).今年,さらなるがんの治療中,治療後のQOL維持・改善が望まれる中,ますます多様化しているがん治療とその副作用,二次的障害に対し知識を深めるとともに,他職種との連携によって治療中から終末期までのすべての病期で適切な関わりを行える療法士の育成が必要である2,3)

参考文献

1)恒藤 暁:最新緩和医療学,最新医学社,1999
2)辻 哲也,他:がんのリハビリテーションの歴史と基本的概念.辻 哲也,他(編):がんのリハビリテーション,pp53-59,金原出版,2006
3)辻 哲也:がんのリハビリテーションの考え方.辻 哲也(編):実践!がんのリハビリテーション,pp1-16,メジカルフレンド社,2007
4)上田 敏:特集にあたって特に「重症ハイリスク疾患による全身体力消耗状態」の概念について.総合リハ 17:323-324,1989
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10)西村哲夫:がんのフィジカルリハビリテーション がん治療の理解Ⅰ放射線療法.臨床リハ 12:863-867,2003
11)田沼 明:がん患者の包括的リハビリテーション 運動療法とリハアプローチの実際.臨床リハ 18:881-886,2009
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16)辻 哲也:悪性腫瘍(がん)のリハビリテーション 緩和ケア病棟においてリハビリテーションに期待すること.総合リハ 31:1133-1140,2003
17)Dietz JH:Rehabilitation of the cancer patients. Med Clin North Am 53:607-624, 1969
18)西脇香織:がんのフィジカルリハビリテーション フィジカルリハビリテーションががんに及ぼす影響.臨床リハ 12:885-890,2003
19)村岡香織:がん患者のフィジカルフィットネス.辻 哲也,他(編):がんのリハビリテーション,pp357-367,金原出版,2006
20)Muller EA:Influence of training and of inactivity on muscle strength. Arch Phys Med Rehabil 51:449-462, 1970

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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