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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル45巻5号

2011年05月発行

文献概要

理学療法臨床のコツ・17

筋力トレーニングのコツ―自重を用いた筋力トレーニング

著者: 山田英司1

所属機関: 1香川大学医学部附属病院リハビリテーション部

ページ範囲:P.432 - P.434

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 体重や四肢の重さを負荷として行う自重を用いた筋力トレーニングは,場所を選ばず簡易に行えることにより,理学療法室のみならずホームエクササイズとしても多く用いられている.しかし,過負荷の原理を考慮すると,自らの体重が負荷の上限であり,機器を用いた外的負荷による筋力トレーニングと比較すると筋力増強効果は低い.

 自重を用いた筋力トレーニングの特徴として,外的負荷による筋力トレーニングとしては解放運動連鎖(open kinetic chain:以下,OKC)の運動が選択されることがほとんどであり,自重を用いた筋力トレーニングでは閉鎖運動連鎖(close kinetic chain:以下,CKC)での運動が選択される場合が多いといわれているが1),自重を用いた筋力トレーニングであっても背臥位での膝伸展挙上運動や端座位での膝伸展運動を行う場合もあり,目的を考慮した運動方法の選択が重要である.本稿では,OKCとCKCの違いによりトレーニングの目的と方法を紹介する.

参考文献

1)対馬栄輝:自重による筋力増強.理学療法 24:923-931,2007
2)山口光國,他:結果の出せる整形外科理学療法,pp122-125,メジカルビュー,2009
3)Perry J:Gait Analysis Normal and Pathological Function, pp51-63, SLACK Inc, Thorofare, 1992
4)建内宏重,他:関節相互の運動を正常化する―多関節の運動協調性の改善.嶋田智明,他(編):変形性関節症 何を考え,どう対処するか,pp120-131,文光堂,2008
5)石井慎一郎:多関節運動連鎖からみた変形性膝関節症の保存的治療戦略.井原秀俊,他(編):多関節運動連鎖からみた変形性関節症の保存療法 刷新的理学療法,pp149-159,全日本病院出版会,2008
6)高橋昭彦,他:変形性膝関節症の理学療法効果検証への取り組み―歩行障害に対するアプローチを中心に.理学療法 17:661-670,2000
7)畠中泰彦,他:人工膝関節置換術前後における歩行中の制動力変化.日臨バイオメカニクス学会誌 16:415-418,1995

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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