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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル45巻6号

2011年06月発行

文献概要

特集 小児理学療法の新たなる展開

NICUにおける理学療法の変遷と今後の展開

著者: 國田広規1

所属機関: 1埼玉医科大学病院リハビリテーション科

ページ範囲:P.465 - P.470

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はじめに

 近年,日本国内の出生数は微増した時期もあるが,依然減少傾向であり1980年には1.58×106人であったものが,2005年時点では1.06×106人まで低下している.このように全体的な出生数が減少しているにも関わらず,低出生体重児の出生数は逆に増加傾向であり,1980年の8.1×104人から2005年では10.1×104人に,また出生率でも5.2%から9.5%へと増加してきている.超低出生体重児に至っては1980年には1,490人であったのに対し,2005年には2倍以上の3,341人と急増している.

 わが国に新生児集中治療の概念が導入されたのは1960年代からであり,新生児集中治療施設(NICU)が設置され始めたのは第二次ベビーブームの1970年代初頭からとなる.また,1980年代に入り理学療法士もNICUに介入し始めてきている.少子高齢化の現在に至っても低出生体重児は増加傾向であり,依然NICUの必要性は変わらない状況である.このようなハイリスクの低出生体重児に対し,理学療法がどのように関わってきたのか,また現在行っているNICUでの発達評価およびフォローアップも含め紹介する.

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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