icon fsr

文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル45巻7号

2011年07月発行

文献概要

1ページ講座 義肢装具

油圧ユニット付AFO

著者: 大畑光司1

所属機関: 1京都大学大学院医学研究科運動機能開発学分野

ページ範囲:P.582 - P.582

文献購入ページに移動
●油圧ユニット付AFO(GS)の特徴と適応

 Gait Solution(GS:図1)は足関節継手に油圧機構を備えた装具であり,初期接地(IC)から荷重反応期(LR期)のheel rocker functionを補助することを目的としている1).通常の歩行ではIC直後の床反力によって生じる足関節底屈モーメントを前脛骨筋の遠心性収縮により制御している.この前脛骨筋活動はIC前後でピークであるため,この機能の代償には,IC直後に最大の制動力を生じるGSの油圧制動が非常に有利であるといえる.このような運動学的変化によって,下肢筋活動パターンを健常歩行に近づけることができる2).適応としては,前脛骨筋の機能障害を有する疾患であり,脳卒中後片麻痺のみでなく,腓骨神経麻痺などの整形外科的問題に対しても使用可能である.

参考文献

1)山本澄子:歩行分析からみた継手付きプラスチック装具の役割.日本義肢装具学会誌 19:120-126,2003
2)Ohata K, et al:Effects of an ankle-foot orthosis with oil damper on muscle activity in adults after stroke. Gait Post 33:102-107, 2011
3)大畑光司:Gait Solution付短下肢装具による脳卒中片麻痺の運動療法とその効果.PTジャーナル 45:217-224,2011

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?