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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル45巻8号

2011年08月発行

文献概要

臨床実習サブノート スーパーバイザーの視点・論点―患者さんに触れるまで・5

大腿骨頸部骨折

著者: 熊丸めぐみ1 高橋哲也2

所属機関: 1群馬県立心臓血管センターリハビリテーション課 2東京工科大学医療保健学部

ページ範囲:P.697 - P.703

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ステップ1.理学療法士の役割,理学療法士としての心構え,目標

 大腿骨頸部/転子部骨折は骨粗鬆症を基盤として起きることが多く,対象者のほとんどは高齢者だ.そのため,理学療法では臥床に伴う合併症や廃用症候群を防止するために早期離床をはかり,移動能力を再獲得して可能な限り在宅復帰を目指すことになる.評価の際は,骨折による関節可動域制限や筋力低下といった機能障害に目が向きやすいが,高齢者の場合は受傷前から心疾患や脳血管障害,膝疾患,認知症など何らかの併存疾患を有している症例も多く,これらが機能的・生命的予後に大きく影響を及ぼすことから,単に骨折だけの問題ではなく「全身疾患」として捉える必要がある.この患者さんを担当したら,受傷前の生活や転倒に至った経緯,環境ならびに個人因子を把握したうえで,転帰を見据えたオーダーメイドの理学療法を心がけよう.疾患に対する理学療法ではなく,受傷した患者さんを丸ごと評価しての理学療法が提供されなければならない.

参考文献

1)日本整形外科学会診療ガイドライン委員会,他(編):大腿骨頸部/転子部骨折診療ガイドライン,南江堂,2005
2)Klotzbuecher CM, et al:Patients with prior fractures have an increased risk of future fractures:a summary of the literature and statistical synthesis. J Bone Miner Res 15:721-739, 2000
3)石橋英明:大腿骨頸部骨折のリハビリテーション.理学療法科学 20:227-233,2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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