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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル45巻9号

2011年09月発行

文献概要

1ページ講座 理学療法関連用語~正しい意味がわかりますか?

除細動器

著者: 櫻田弘治1

所属機関: 1心臓血管研究所リハビリテーション室

ページ範囲:P.773 - P.773

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●除細動器(defibrillator)とは

 重篤な不整脈に対し,電気ショックを与えることで除細動や同期性通電を行う医療機器のことである.日本では年間およそ5万人に突然の心停止が発生しているといわれる.除細動まで,1分経過するごとに7~10%救命率が低下するため1),迅速な除細動が必要である.この現状をふまえ,日本では2004年より一般市民も除細動器を使用することができるようになった.一般市民向けの除細動器は自動体外式除細動器(automated external defibrillator:AED)であり,心室細動と無脈性心室頻拍が適応となる.電源ボタンを押すとメッセージが流れ,操作を誘導してくれる.心電図の解析は自動的に行われ,除細動が必要な場合にはスイッチを押すだけで電気ショックが行える.一方,AEDと異なり,医師または医師の指示のもと看護師や救急救命士のみが使用可能である直流除細動器(direct current defibrillator:DC)は,心室に電気刺激を加え心室細動を誘発する危険性がないように,心室全体が興奮状態にある絶対不応期にタイミングを合わせて通電する同期通電(cardioversion)が可能である.したがって心室頻拍や発作性上室性頻拍,心房粗動・細動も適応となる.

参考文献

1)美濃部嶢(監):AHA心肺蘇生と救急心血管治療のための国際ガイドライン,中山書店,2000
2)不整脈の非薬物治療ガイドライン,2006年改訂版.循環器病の診断と治療に関するガイドライン,2005年度合同研究班報告,2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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