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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル46巻1号

2012年01月発行

文献概要

とびら

「生活を知る」ということ

著者: 原由美子1

所属機関: 1輝山会記念病院

ページ範囲:P.1 - P.1

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 ご存知の方も多いと思うが,長野県民は,どこでも「万歳三唱」をする.お祝いの席である結婚披露宴はもちろん,新年会・忘年会,職場の歓送迎会,暑気払いに至るまで,宴会の最後は万歳で締めくくる.保育園の運動会でも,父兄代表が「○○保育園と,お集まりの方々のご健勝とご発展を祈念いたしまして」と挨拶し,整列もままならない幼い園児たちも当然全員参加で万歳を唱和している.県外から観に来ていたご家族が「長野県は本当に万歳するんだね」と感心していた.根っからの長野県人である私は,県外の宴会に出席した際,万歳がないと何か締まりがない気がしてしまうほど当然の風習である.

 人は,それぞれに独自性を持った地域社会の中で生活している.昔は地域の風習やしきたりになじめないと村八分され,仲間外れにされた.現代は,それほどに地域ごとの独立性はないものの,県民性などと呼ばれるその地域独特の気質や風習といった文化が残っている地域は多く,高齢になるほどこれに浸って暮らしている.住んでいる地域によって異なる文化があり,この中で暮らす各家庭にはさらに異なる習慣や価値観がある.自宅へ伺って理学療法を行う訪問リハビリテーションではその家庭の生活を垣間見ることができるが,1日のスケジュールや誰が何をするか,どこに何を置くか,近所の人の関わりなどは家庭の習慣や地域性が現れ,まさに千差万別である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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