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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル46巻1号

2012年01月発行

文献概要

特集 運動学習と理学療法

運動学習理論にもとづく理学療法の展開

著者: 池田由美1

所属機関: 1首都大学東京健康福祉学部理学療法学科

ページ範囲:P.45 - P.50

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はじめに

 運動学習について,シュミット(Schmidt. RA)は「熟練パフォーマンスの能力に比較的永続的変化を導く練習や経験に関連した一連の過程」と定義している1).これを理学療法に応用すると,運動学習とは「練習や経験を通じて運動や行為能力を獲得する一連の過程」と定義することができるのではないかと考える.運動や行為能力を獲得するための練習の場が理学療法であり,理学療法を通じて経験されたことが記憶として蓄積されていくことになる.毎回の理学療法の経験が,それまで蓄積された記憶と比較照合されて運動のモデルが更新されていき,更新されたモデルが次の経験を生み,またその先の経験を生むというように,経験の積み重ねの記憶が,運動・行為能力を創り出していくと考えられる.このように経験の積み重ねの過程が学習であり,理学療法を通じてどのような経験をすれば,運動・行為能力の回復につながるのかを念頭において,実施することが必要となる.

参考文献

1)リチャードA.シュミット:運動学習 概念と方法.調枝孝治(監訳):運動学習とパフォーマンス,pp155-158,大修館書店,1994
2)谷 浩明:運動学習に効果的な練習方法とは何か―理論にもとづく介入方法.理学療法 22:982-988,2005
3)Nudo RJ, et al:Reorganization of movement representations in primary motor cortex following focal ischemic infarcts. J Neurophysiol 75:2144-2119, 1996
4)Plauz EJ, et al:Effects of repetitive motor training on movementRepresentations in adult squirrel monkeys:role of use versus learning. Neurobiol Learn Mem 74:27-55, 2000
5)Kapreli E, et al:Anterior cruciate ligament deficiency causes brain plasticity:a functional MRI study. Am J Sports Med 37:2419-2426, 2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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