文献詳細
文献概要
1ページ講座 理学療法関連用語~正しい意味がわかりますか?
滑液包
著者: 古川裕之1
所属機関: 1藤田整形外科・スポーツクリニック
ページ範囲:P.925 - P.925
文献購入ページに移動●滑液包とは
滑液包とは,滑膜の内腔に滑液が入った袋状の構造で,腱と骨や筋の間,皮膚と骨の間などに存在し,互いの摩擦を軽減する役割があると定義されている1).滑液包は肩関節部に多く,そのほか肘関節,股関節,膝関節,踵部などにみられるが,出現部位やその発達程度は個人差が大きい.関節近傍の滑液包は関節腔と交通するものや,骨軟骨腫の表面,外反母趾の骨突出部など,病的な状態で新たに形成されることもある2).滑液包の内壁は滑膜で覆われているため,血管,神経,リンパ管が豊富に分布し,神経組織学的には痛覚受容器である自由神経終末が高密度に分布している.組織学的特徴に加え,その力学的特徴からも炎症反応が起こりやすいことがうかがえる3).
滑液包とは,滑膜の内腔に滑液が入った袋状の構造で,腱と骨や筋の間,皮膚と骨の間などに存在し,互いの摩擦を軽減する役割があると定義されている1).滑液包は肩関節部に多く,そのほか肘関節,股関節,膝関節,踵部などにみられるが,出現部位やその発達程度は個人差が大きい.関節近傍の滑液包は関節腔と交通するものや,骨軟骨腫の表面,外反母趾の骨突出部など,病的な状態で新たに形成されることもある2).滑液包の内壁は滑膜で覆われているため,血管,神経,リンパ管が豊富に分布し,神経組織学的には痛覚受容器である自由神経終末が高密度に分布している.組織学的特徴に加え,その力学的特徴からも炎症反応が起こりやすいことがうかがえる3).
参考文献
1)奈良 勲(監):理学療法学事典,p137,医学書院,2006
2)石田 剛,他:非腫瘍性骨・関節疾患の病理―滑液包・腱・靱帯の病変.病理と臨床18:1233-1245,2000
3)西川仁史:有痛性疾患の理学療法プログラム―腱板損傷.理学療法23:275-280,2006
4)橋本 淳,他:肩峰下圧の動態計測.臨床スポーツ医学15:263-266,1998
5)三笠元彦:腱板および肩峰下滑液包の病態からみた五十肩の治療.日リウマチ・関節外会誌8:451-456,1990
6)信原克哉:肩 その機能と臨床,第3版,pp122-124,医学書院,2001
7)山本龍二:疼痛性関節疾患への新たなアプローチ ヒアルロン酸ナトリウム(アルツ)による治療を中心に 肩関節周囲炎とヒアルロン酸.Prog Med 22:2805-2807,2002
掲載誌情報