理学療法ジャーナル46巻11号

2012年11月発行

特集 はたらく理学療法士の動機づけ 理学療法士の動機づけ

2．勉強会と理学療法士組織での活動例

著者： 河野礼治¹

所属機関： ¹国家公務員共済組合連合会新別府病院リハビリテーション科

ページ範囲：P.983 - P.986

はじめに

　現在，日本全国で理学療法士有資格者は100,560名で，日本理学療法士協会会員数は77,844名となっている（2012年6月時点）．年齢構成は，21～30歳が48.1％を占め，平均年齢は男性33.4歳，女性31.8歳と若い世代が多いのが特徴のひとつでもある^1）．理学療法白書2010によると，「理学療法士を一生続けたいと思いますか」との問いに，「そう思う」と答えた会員は42％であった．また，別の質問においても「仕事に生きがいを求めて全力を傾ける」「余暇も時には楽しむが，仕事のほうに力を注ぐ」は，35％程度となっている^2）．このことは，若い理学療法士たちがもっと意欲向上となるよう動機づけを行わなければ，今後の理学療法の発展は厳しいのではないかということを考えさせられる．それには，仲間や先輩，組織そして出会いなどの環境面を含めて考える必要がある．

　そこで，若い理学療法士たちの意欲や思いを知りたくて，「どんな理学療法士になりたいか」と問いかけたところ，様々な目標をもっている理学療法士が多いことを嬉しく思った（表）．今後，これらの思いを継続しながら目標を達成するには，臨床理学療法の再考，理学療法士としての姿勢や理学療法に対する動機づけが重要ではないだろうか．

参考文献

1）公益社団法人日本理学療法士協会：第41回定時総会議案書，2012

2）社団法人日本理学療法士協会：理学療法白書2012―理学療法の社会的基盤構築に向けて，2010

3）児玉光雄：どんな仕事も楽しくなる101の言葉，三笠書房，2012

4）井原秀俊，他（編著）：多関節運動連鎖からみた変形性関節症の保存療法，全日本病院出版会，2008

5）山嵜　勉（編）：整形外科理学療法の理論と技術，メジカルビュー社，1997

6）福井　勉：序文．山口光圀，他（著）：結果の出せる整形外科理学療法，メジカルビュー社，2009