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1ページ講座 理学療法関連用語~正しい意味がわかりますか?
筋硬結
著者: 加藤新司1
所属機関: 1札幌山の上病院リハビリテーション部
ページ範囲:P.1017 - P.1017
文献購入ページに移動 理学療法士は,臨床で「筋~」という用語にかかわることが多く,代表的なものとして,筋出力,筋緊張,筋張力,筋スパズム,筋硬結などが挙げられる.そのなかでも筋が硬く,痛みを伴う症状として“筋硬結”という用語を用いることが多くなってきた.この筋硬結という用語についてはドイツのFroriepが報告して以来,数多くの報告があり,1989年に米国で開催された第1回国際筋痛学会で筋硬結の形態学的同意事項が挙げられており,病理組織学的にも根拠の存在する病態となっている1).しかし,少なくとも筆者自身が理学療法教育を受けた1990年代前半には,そのような教育は受けたことがないと記憶している.近年になって,理学療法士の間でも筋硬結という用語がごく普通に用いられるようになってきたように思われる.
具体的な臨床例として,患者さんから「肩が凝る」「筋が張っている」「筋を押したら痛い」などの主訴を聞くことがあり,このような主訴の根拠が筋硬結である可能性も高く,筋筋膜性疼痛症候群2)や慢性筋痛症などにこの筋硬結が存在することが多い.その他にも,関節リウマチや変形性関節症などの運動器疾患を中心に様々な疾患でみられることがある.
具体的な臨床例として,患者さんから「肩が凝る」「筋が張っている」「筋を押したら痛い」などの主訴を聞くことがあり,このような主訴の根拠が筋硬結である可能性も高く,筋筋膜性疼痛症候群2)や慢性筋痛症などにこの筋硬結が存在することが多い.その他にも,関節リウマチや変形性関節症などの運動器疾患を中心に様々な疾患でみられることがある.
参考文献
1)Awad EA:Histopathological changes in fibrositis. Myofascial Pain and Fibromyalgia, Advances in Pain Research and Therapy, pp249-258. Raven Press, New York, 1990
2)松原貴子,他:筋・筋膜性腰痛症の理学療法プログラム.理学療法25:71-75,2008
3)鈴木順一:理学療法MOOK5,物理療法,pp20-27,三輪書店,2000
4)辻井洋一郎:マイオセラピー理論―現理論に至るまでの変遷,その後.愛知県理学療法士会誌14:22-35,2002
5)鈴木重行(編):IDストレッチング,第2版,pp14-16,三輪書店,2006
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