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講座 医療経済・2
理学療法の経済的側面
著者: 宮﨑貴朗1
所属機関: 1東京工科大学医療保健学部理学療法学科
ページ範囲:P.1021 - P.1027
文献購入ページに移動はじめに
わが国の経済状況へ抱く不安感や閉塞感のせいだろうか,理学療法士の経済学や医療経済学への関心が高まっている.経済学の役割を考えてみると,近代経済学の始まりにおいては国のあり方や仕組みづくり,国民の経済活動の指針として大きな意味があった.経済学の応用的分野である医療経済学の役割は,もちろん財政面でのバランスを重要視しつつも,社会保障や医療,本稿における主題である理学療法のあり方や姿も問うものであり,現在,また将来においてどのように考えていくべきかの礎となるものと考えられる.
本稿では,理学療法の経済的側面について,経済学や医療経済学の基礎的事項,そして理学療法の経済学的考え方を解説する.さらに,今後の理学療法の経済学的課題や経済学の応用としての理学療法における政策科学の構築必要性について述べる.
わが国の経済状況へ抱く不安感や閉塞感のせいだろうか,理学療法士の経済学や医療経済学への関心が高まっている.経済学の役割を考えてみると,近代経済学の始まりにおいては国のあり方や仕組みづくり,国民の経済活動の指針として大きな意味があった.経済学の応用的分野である医療経済学の役割は,もちろん財政面でのバランスを重要視しつつも,社会保障や医療,本稿における主題である理学療法のあり方や姿も問うものであり,現在,また将来においてどのように考えていくべきかの礎となるものと考えられる.
本稿では,理学療法の経済的側面について,経済学や医療経済学の基礎的事項,そして理学療法の経済学的考え方を解説する.さらに,今後の理学療法の経済学的課題や経済学の応用としての理学療法における政策科学の構築必要性について述べる.
参考文献
1)Samuelson PA,他(著),都留重人(訳):サムエルソン経済学・上,原著第13版,p3,岩波書店,1992
2)Stiglitz JE(著),藪下史郎(訳):スティグリッツ公共経済学・上,第2版,東洋経済新報社,2003
3)藪下史郎:非対称情報の経済学―スティグリッツと新しい経済学,光文社,2002
4)Thaler RH(著),篠原 勝(訳):セイラー教授の行動経済学入門,ダイヤモンド社,2007
5)多田洋介:行動経済学入門,日本経済新聞社,2003
6)Kahneman D(著),友野典男(監訳):ダニエル・カーネマン心理と経済を語る,楽工社,2011
7)依田高典,他:行動健康経済学―人はなぜ判断を誤るのか,日本評論社,2009
8)日本理学療法士協会ホームページ(会員の分布) http://www.japanpt.or.jp/03_jpta/about_jpta/05_index.html(20120430 accessed)
9)Stiglitz JE:スティグリッツ公共経済学・上,第2版,東洋経済新報社,p273 1996
10)総務省:平成17年(2005年)産業連関表(総合解説編),http://www.stat.go.jp/data/io/index.htm(20120619 accessed)
11)総務省:平成17年(2005年)産業連関表(総合解説編),p13,2009
12)総務省:平成17年(2005年)産業連関表(総合解説編),p25,2009
13)Stiglitz JE,他(著),福島清彦(訳):暮らしの質を測る―経済成長率を超える幸福度指標の提案,金融財政事情研究会,2012
14)山田昌弘,他:幸福の方程式―新しい消費のカタチを探る,ディスカヴァー・トゥエンティワン,2009
15)博報堂大学幸せのものさし編集部:幸せの新しいものさし―一足先に次の豊かさを見つけた11人,PHP研究所,2010
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